レイノー病
レイノー病はレイノー症候群とも呼ばれ、手足の血管が収縮し血流が悪くなることによって起こる病気です。血流が悪くなる為、手や足の指が白や紫色になり手足の痺れや色の変化を引き起こします。色の変化とは指先が白、紫色、そして赤くなってもどるという色調の変化が起こることです。
原因
レイノー病は「レイノー現象」とも呼ばれている、体に現れる現象の一つです。レイノー病を発症する患者の殆どが原因不明ですが、病気が原因となって引き起こされるケースも見られます。
原因疾患がある場合の主な原因は、膠原病やクリオグロブリン血等の血液の病気、甲状腺機能低下症等の疾患が挙げられます。この疾患の中でも、特に膠原病の症状として現れることが多く見られます。膠原病が病名ではなくグループの名前ですので全身性強皮症、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病など様々な病気が含まれこれらはレイノー現象が起こることがあり専門医の診察をおすすめします。
原因となる疾患がない場合の発症理由は、現在のところ解明されていません。しかし、チェーンソーやドリル、キーボード等指先や手に振動を与える道具を日常的に扱う職業や、精神的なストレスが原因となり生じることが多いと考えられています。
また、冷刺激等に晒されると、末梢の血管が攣縮し血流が少なくなる為、寒さによる刺激も原因のひとつとされています。20〜40代の女性に多く見られることも特徴です。
症状
レイノー病の主な症状は、手足の血管が痙攣を引き起こして一時的に収縮し、血流が減ることで手や足の指先の色が変化するといったものです。具体的には、冷たいものを触ったり寒い場所にいたりすることで、指先の色が紫色や白色になります。
症状の出るパターンも様々で、複数の指や一本のみに現れる等、部分的に出ることも珍しくありません。
また、血管が収縮することで、爪の付け根に内出血が見られたり、指先のこわばり・むくみ・痺れ・チクチクする等の症状が現れる、食事の時に喉につかえる感覚がある等の症状も見られます。患部の皮膚が硬くなることや、全身症状として疲れやすいといった症状が発生することもあります。
肺や腎臓に障害が出る、食道炎を引き起す等の症状に繋がる場合もある為注意が必要です。
予防と治療
レイノー病の原因となる病気が明らかに解っている場合は、その病気の治療が最優先となります。レイノー病そのものに対する治療としては、自律神経の交感神経を抑える薬や、血管を広げる作用のある薬を投薬して症状を和らげていく方法がとられます。漢方薬も効果があります。皮膚に塗布する薬が処方されるケースもあります。
レイノー現象の症状を緩和、または予防する為には、日常的に寒さを避けることだけでなく、手指や足先等の末端のみならず全身を温めることが大切です。特に冬には手袋や靴下を2枚履いたりして指先も冷えないようにすることで症状の緩和や予防に繋がります。
喫煙はレイノー現象を悪化させる為、必ず禁煙しましょう。
安佐南内科リウマチ科クリニック 院長舟木 将雅
【経歴・資格・所属学会】
○安佐南内科リウマチ科クリニック 院長
※資格など
○日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医
○日本呼吸器学会呼吸器専門医•呼吸器内視鏡専門医
○日本内科学会認定医
※所属学会
○日本リウマチ学会
○日本呼吸器学会
○日本内科学会