小脳出血

原因

小脳出血とは、脳の小脳で出血が起きた状態のことで、脳出血の5~10%を占めます。
小脳出血は多くの場合、高血圧が原因となります。長期間にわたり高血圧状態が続くと動脈に対する負担が徐々に蓄積され動脈硬化が進行します。動脈硬化によって動脈が脆くなると小脳を栄養する血管が破れ、小脳出血の発症に至ります。

高血圧と関連して発症することが多いため、肥満や運動不足、塩分過多、食生活の乱れ、過度なアルコール摂取、喫煙、ストレス等も小脳出血における発症原因となります。

症状

小脳出血が起こると、急に体のバランスが悪くなり、頭痛やめまい、吐き気等が現れます。
小脳は発語を調整する役割もあるため、言葉の抑揚を調整できない、呂律が回らない等の症状も現れます。
また、座位・立位の保持が困難になったり、酩酊したようなふらふらとした歩行になったり、出血を起こした方と同じ側の手足が上手く動かせなくなったりします。

病状が進行すると、意識レベルが低下したり自分の意思で呼吸することが難しくなり、命にかかわることもあります。

予防と治療

小脳出血の予防

小脳出血は高血圧を原因として発症することが多いため、高血圧や動脈硬化を予防することが大切です。
塩分の制限、適正体重を維持して肥満を防ぐ、適度な運動、バランスのよい食事を心がける、アルコールの摂り過ぎは控える、禁煙等生活習慣を見直すことが効果的です。

小脳出血の治療

小脳出血では、意識状態や出血量、血腫の大きさによって手術を行うかを判断します。
意識清明で出血量が少なく周囲への圧迫も高くないうちは、手術をすることによる負担や合併症を起こすリスクも考慮して、内科的な治療が優先されます。しかし、出血量が多く血腫の直径が3cmを超え意識レベルが低下したり周囲(脳幹)への圧迫が高い場合や、急性水頭症を来たしたりした場合には手術(開頭による血種除去術)を行います。

この記事の監修

ながお脳神経外科クリニック 院長長尾 光史

超高齢化社会を迎えつつある日本において、これからの医療は予防医学がますます重要となってくる中で、脳卒中は3大死因のひとつでもあり、また寝たきりになる原因疾患の第1位です。その再発予防はさることながら、いかに発症を予防していくかが最重要であると考えています。
そこで、高血圧症、高脂血症、糖尿病などのいわゆる生活習慣病を背景とした動脈硬化の予防管理も含め、既存のクリニックにはないMRI機器を導入することにより、早期発見・早期治療に努め脳卒中の予防を中心に地域の皆様の健康維持に微力ながら貢献してまいりたいと思っております。不安を持っておられる方が気楽に受診できる環境を整え、迅速に検査を行い当日結果説明ができる体制をとっておりますので、どうぞお気軽に受診、ご相談ください。

【経歴・資格・所属学会】

略 歴
平成7年5月 大阪医科大学附属病院 脳神経外科教室 入局

[主な勤務病院]
畷生会脳神経外科病院
翠清会梶川病院
弘田脳神経外科病院
大阪府三島救命救急センター
児玉病院
大阪医科大学附属病院 麻酔科
みどりヶ丘病院
新生病院 部長
荒木脳神経外科病院 副院長
平成22年12月 ながお脳神経外科クリニック 開院

免許・資格
平成7年5月 医師免許取得 平成13年7月 医学博士号取得 平成13年8月 日本脳神経外科学会専門医取得

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