2022/04/08

野菜をたくさん食べて食物繊維を摂ろうと言われているけれど、食物繊維とはどんな栄養素か、どのような働きがあるか知っていますか?

今回は、食物繊維についてです。

食物繊維は、人の消化酵素では消化されない炭水化物で第六の栄養素ともいわれ、様々な作用があります。食物繊維はおもに植物の細胞壁を構成する成分で、水に溶けるかどうかで、水溶性と不溶性に分類されます。食物繊維は人の消化酵素で消化されない成分です。しかし、腸内菌の働きで一部が発酵、分解され1g0〜2カロリーのエネルギーが生成されるとされています。

1日の摂取基準

年齢男:目標量(g)女:目標量(g)
3~58以上8以上
6~710以上10以上
8~911以上11以上
10~1113以上13以上
12~1417以上17以上
15~1719以上18以上
18~2921以上18以上
30~4921以上18以上
50~6421以上18以上
65~7420以上17以上
75以上20以上17以上

どんな食材に含まれている?

食物繊維は多くが植物の細胞壁の成分で、殆どの植物性の食品に含ませています。特に豊富なのは、穀類、豆類、きのこ類、海藻類です。野菜ではモロヘイヤやオクラなどのネバネバ成分をもっているものや、ごぼうの根菜に多く含まれます。

穀類は外皮部分に多く含まれており、精白米などにはあまり含まれていません。

食物繊維を多く含む食材(100g中※は10g中)

  • 穀類
  • 押麦…12.2g
  • ライ麦パン…5.6g
  • そば(乾めん)…3.7g
  • 野菜類
  • グリンピース…7.7g
  • モロヘイヤ…5.9g
  • ごぼう…5.7g
  • 豆類
  • ゆでいんげん豆…13.6g
  • ゆでひよこ豆…11.6g
  • おから…11.5g
  • きのこ類
  • 生しいたけ…4.9g
  • えのきたけ…3.9g
  • 海藻類
  • 角寒天※…7.4g
  • 干しひじき※…5.2g
  • 刻みこんぶ※…3.9g
  • カットわかめ※…3.9g
  • 焼きのり※…3.6g

体内での働きは?

食物繊維は便のかたさを増やしたり、腸を刺激して蠕動運動を活発にし、便の排泄を促したりスムーズにさせたりする効果が認められています。腸内の環境を整えて、大腸がんなどの腸の病気を予防する効果があると考えられています。

他にも、血糖値の急上昇を防いだり、コレステロールの吸収を抑制したりと、糖尿病や脂質異常症など、生活習慣病の予防効果があるとみられます。また、食事の腹持ちをよくすることから、肥満を防ぐ効果もあるといわれています。

食物繊維が豊富な、野菜、きのこ、海藻、豆などを毎食欠かさず食べることが目標量をとるために大切です!

今回は、食物繊維たっぷりレシピです。

大葉香る切り干し大根と油揚げのポン酢和え

材料(2個)

切り干し大根 30g
油揚げ 1枚
大葉 5枚
砂糖 小さじ1
ポン酢 大さじ3

栄養価(1人前)

エネルギー 157kcal
タンパク質 8.2g
脂質 8.7g
食物繊維 3.8g
炭水化物 14.7g

作り方

  1. 切り干し大根を水に浸し、戻し、食べやすい大きさに切る。
  2. 油揚げは湯通しし、縦半分に切り5mm幅に切る。大葉は千切りする。
  3. (1)と(2)をボウルに入れ混ぜ合わせ、砂糖、ポン酢を加え混ぜ合わせる。

こんにゃくときのこの甘辛炒め

材料(2個)

こんにゃく 一枚200g
しめじ 1房(150g)
エリンギ 100g
☆酒 大さじ1
☆みりん 大さじ1
☆砂糖 大さじ1
☆醤油 大さじ2
☆出し汁 100cc(顆粒小さじ1/3でもOK)
ごま油 大さじ1

お好み 七味 適量

栄養価(1人前)

エネルギー 144kcal
タンパク質 4.4g
脂質 6.6g
食物繊維 6.5g
炭水化物 18.5g

作り方

  1. こんにゃくをスプーンで1口大にちぎり、沸騰したお湯で1〜2分茹でる。
  2. しめじは、軸を切りほぐす。エリンギは1口大に切る。
  3. フライパンにごま油をひき、こんにゃくを炒める。(表面が少しカリッとなるまで)
  4. (3)に(2)を加え、しんなりするまで炒め、☆を入れて煮詰める。
  5. お好みで七味をふる。

コラムニスト

管理栄養士  天野 裕葵 

給食委託会社で病院の献立作成や厨房業務に携わった後、フリーランス管理栄養士として栄養コラム執筆やレシピ開発、栄養価計算などを行なっています。
私は、管理栄養士が国家資格にも関わらず社会的地位が低いことに疑問を感じています。もっと世の中に貢献できることがあるはずです。管理栄養士の活躍が人々の毎日を健康にすると信じております。
私は、管理栄養士の専門性を活かし、栄養学の楽しさを知ってもらう、興味を持ってもらうことが大切だと感じております。
そして、栄養学を通して「食の大切さ」を伝えてゆき、「健康な毎日」の実現に繋げていきたいと思っております。


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