「はぁ~、あぁ」と、ため息をつくと「幸せが逃げちゃうよ!」なんて言われたことありませんか?
ため息をつく状況をイメージすると「疲れている」「大変そうだな」と、マイナスなイメージをされる方が多いのかもしれませんが、実はため息をつくことは体にいいことなのです。
ため息がでるときは、疲れていたり悩みがあったりと自律神経のバランスが崩れていることが多いので、筋肉が緊張して硬くなり呼吸が浅くなっていることが少なくありません。家事やパソコン作業で同じ姿勢が続いた時も筋肉が緊張して呼吸が浅くなることで、肩こりや腰痛といった痛みが出現しやすくなります。
体が疲れているなぁ、肩がこったなぁ、というときこと、ため息をつくように力を抜いて息を吐くことが大切です。
厚生労働省が実施した国民生活基礎調査によると、男女別に様々な自覚症状を調査した結果、男性の1位「腰痛」、2位「肩こり」、3位「咳やたん、鼻つまり」、女性の1位「肩こり」、2位「腰痛」、3位「手足の関節痛」です。
と幅広い層が挙げています。
肩がこっているときに筋肉を触ってみると、硬くなっていることが多いと思います。
それは、筋肉が硬結(こうけつ)している状態です。硬結とは、筋肉内の線維が勝手に収縮した状態となり、力を抜いても柔らかくならずコリコリした感触があるのが特徴です。
このように筋肉が硬結した状態が肩こりの正体なのです。
筋肉が硬くなる原因はたくさんあり人によってさまざまなのですが、多くの場合は日常生活の中にあります。姿勢が悪い、長時間同じ姿勢でいた、緊張状態が続いた、運動不足、眼精疲労、ストレスなどが考えられます。
その結果、血管やリンパ、神経を圧迫するため血行が悪くなり、筋肉が硬結してしまいます。
これはボウリングボールの重さでいうと11ポンドになります。また、米袋だと1袋5kgの重さになるので、かなりの重たさだと実感できるかと思います。頭の代わりにボウリングのボール、あるいは5kgの米袋が背骨の上に乗っているとイメージしてみてください。
頭が前へ傾けば傾くほど首への負担は増大し、スマホ首(スマートホンを見る時のうつむき姿勢)では、最大約27kgもの力がかかっていると言われています。
パソコンやスマホを見る姿勢、家事を行っているときなど頭の位置は前方に傾いている状況が多いと思います。この姿勢を長時間続けていると首から肩の筋肉が緊張してしまい、肩こりが起きやすくなります。また細かい文字などを見続けると、目やその周囲の筋肉が緊張してしまい肩こりにつながることもあります。
つまり、肩こりは宿命ともいえる症状ですが、こりが痛みに変わり何をするにも痛くてツラいという状態になりかねません。
スマホや本など片手で持つ場合、手首から肘が一直線になるようにして目線が下向きにならないようにすると良いです。その際、反対側の手を肘と体の間に挟んだり、クッション等を利用したりして楽な姿勢をとると良いです。またパソコン作業の姿勢でも同様の事が言えるので、環境を見直すことも大切です。
姿勢を気をつけたり、環境を工夫したりしても活動量によって肩こりは出現します。
日々の疲れを翌日に残さないよう就寝前にリセットする方法を紹介いたします。
気候が良くなるとシャワーだけで済ます方も多くなってくるかと思いますが、ゆっくりと湯船につかったり、お風呂の中で肩を回したりなどのストレッチをすることもお勧めです。 また、温泉や岩盤浴、サウナなどで体を温めてリラックスすることも良いです。
肩こりに効果があるストレッチでよく見かけるのは、「肩をすくめてストンと落とす」「腕をあげたり広げたりして伸ばす」などではないでしょうか。 私がお勧めするのは、「わきの下をさすって、ほぐす」です。
肩がこっているときは、肩甲骨の動きも悪くなっている場合が多いため、腕と肩甲骨をつなぐ筋肉をほぐすことで肩こりを緩和させることができます。
人前に立つなど緊張する場面では呼吸が浅くなったり、心臓がドキドキしたりします。その状態が続くとリラックスできず、筋肉が硬くなり肩こりにもなりやすいです。
そのようなときは、ため息をつくように「はぁ~」と力を抜いて息を吐くことで、浅くなった呼吸が深くなり緊張がほぐれます。
深い呼吸を習得するには前回のコラムで紹介させていただいた「横隔膜呼吸トレーニング」もお勧めです。
この呼吸トレーニングは横隔膜や肋骨、背骨を動かすことが出来るので、縮こまっている筋肉を動かすことで肩こり解消にも効果的です。
ため息が出ているうちは体が回復しようとしている状態でもあるので、まだ大丈夫!な状態かもしれません。しかし、ストレスが溜まりすぎるとため息すらも出ない状態になります。たかが肩こりと放置せず、体調を崩す前にご自身の身体と向き合ってみてくださいね。
私は、小・中・高校時代はサッカー部に所属していました。
高校時代は、平日は練習をして週末は試合や遠征へ行く、というスケジュールでサッカー漬けの生活だったため、怪我をすることも多くその都度病院にお世話になっていました。そのときに日々のケアや怪我をしない体づくりが大切であることを知り、人間の身体に興味を持つようになりました。
身体に不調があると人生楽しくありません。
年齢を重ねるとどこかに不調が出てくるものですが、それでも「どうすれば心豊かに楽しく過ごすことができるようになるの?」をモットーとして個々人にあった運動方法が提供できるよう努めています。
前回の記事では、呼吸運動について紹介をいたしましたが、今回は呼吸トレーニングの方法を紹介いたします。
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