2022/09/07

美しい自然の中、家族で協力してテントを組み立てたりご飯を作ったり……コロナ禍でも戸外でのびのびと過ごせるキャンプは、すっかりファミリーレジャーとして定着した印象です。

でも、特にパパやママがキャンプ初心者の場合、「小さい子を連れていっても大丈夫かな?」と少し不安ですよね。

そこで今回は、子連れキャンプ歴15年以上の筆者の経験をもとに、持ち物やご飯のアイデア、安全に楽しむためのポイントを紹介します。

子連れキャンプは何歳から?初心者でも大丈夫?

キャンプの経験がない(または少ない)パパ・ママにとっては、何歳から子供をキャンプに連れて行けるのか見当がつかないのではないでしょうか。

実は、小さい子をキャンプに連れて行けるかどうかは、行き先やお子さんの状況・大人の人数などによって大きく変わり、「何歳ならOK」という基準は決められないのが実情です。

コテージやログハウスなどに泊まる場合や、テントが設置済みでホテルのように過ごせる「グランピング」なら、赤ちゃんから連れて行けることがほとんど。

特に夏場には、赤ちゃんは汗であせもができたり肌荒れしたりしやすいので、シャワーやお風呂で汗を流せる施設かどうかが1つの判断基準です。

自分たちでテントを張って泊まりたい場合は、できれば3歳以降を目安にすると行動しやすいでしょう。おむつが取れている方がゴミの処理も少なく衛生的に過ごせますし、1人歩きのできる1歳~2歳の子は、テントの設営などで大人が目を離したすきに水辺や森の中に行ってしまう可能性があります。

ただ、きょうだいで上の子を早く連れて行ってあげたい場合もあるかと思います。その場合は上記のような宿泊設備つきのキャンプ場を選ぶか、誰か大人が小さい子の側についていられるよう、祖父母や友人などに参加してもらうのも良いですね。

ファミリーキャンプの持ち物

子連れのキャンプでは、基本的なキャンプ道具に加えて持って行きたいものが色々あります。

以下にまとめてみましたので、参考にして下さいね。

着るもの

  • 着替えやすく、動きやすいカットソーとズボンなど
  • いつもより汚れたり濡れたりする機会が多いので、着替えを2~3組多く
  • 朝晩は冷えるので長袖の上着や靴下

靴、帽子など

  • 日よけの帽子は必須
  • 靴は、山の中なら運動靴、川や海の側ならサンダルやウォーターシューズも持って行きましょう
  • 一緒に火をおこしたりテント設営のお手伝いができる年齢の子には、子供用の軍手があると便利です

ケア用品

  • 日やけ止め
  • 虫よけスプレー
  • 手指洗浄剤

救急用品

  • 保険証のコピー
  • 最寄りの病院の電話番号(事前に調べておく)
  • 常備薬
  • 体温計
  • 簡易救急セット(絆創膏・消毒液・包帯・とげ抜きなど)

遊び道具

  • 水着
  • 水中メガネ
  • 浮き輪、ライフジャケット
  • 網(虫取り・魚取り用)
  • バケツ
  • ミニ図鑑など
  • 水槽・虫かご ※観察後は逃がしてあげましょう
  • フリスビー、バドミントン、たこなど広いスペースで遊べるもの

夜にどの程度冷え込むのか分からない場合は、現地の最低気温をインターネットで調べておくと良いでしょう。

親子で楽しむおすすめのキャンプご飯

外でみんなで料理を作って食べるのは、キャンプの最大の楽しみの1つですよね。

凝ったものでなくても、自分たちで作ったご飯はとびきりおいしく感じられるのではないでしょうか。

定番の焼肉・カレー・焼きそば以外にも、小さいお子さんが調理から参加できるキャンプ向けのおすすめメニューはたくさんあります。

ピザ

テーブルに新聞紙やクロスを広げ、生地を置いて、子供たちにチーズや野菜、ベーコンなどを自由にトッピングしてもらいましょう。

生地は強力粉・塩・オリーブオイルとイーストを混ぜて作れば本格的ですが、子連れキャンプはやることが盛りだくさん。市販のミックス粉や生地で構いません。

焼くときはフライパンに乗せて炭火やバーナーで下から焼きます。上側にも熱が回るよう、アルミホイルをかぶせましょう。「ダッチオーブン」(ふた付きの厚手鉄鍋)があればもちろんそれを使って。

ジャンボハンバーグ

しっかりしたナイロン袋に、ひき肉と玉ネギのみじん切り、卵やパン粉といったハンバーグの材料を入れて、子供たちにモミモミしてもらいます。

フライパンや焼きそば用の鉄板に油を引いて丸ごと乗せて焼きます。こちらも、まんべんなく火が通るようにアルミホイルなどをかぶせます。風で飛ばされないよう、アルミホイルの四隅に洗った石を乗せておくと良いですよ。

おなじみのバーベキューやビールによく合う焼き鳥などは、大人だけなら串に刺せばよいですが、小さい子がいるときは串を手に持って歩き回ると危険なので避けましょう。

デザートに人気の焼きマシュマロも、竹串に刺すのではなく、先のとがっていない割り箸や固すぎない木の枝などを使うのがおすすめです。

おわりに

初めてのキャンプは、お子さんにいろいろなことを教えるチャンスがいっぱい。

天体の動き、虫や鳥の鳴き声といった自然のおもしろさから、川や湖は急に深くなっているから1人で水辺に近付かないこと、朝は出会った人にあいさつをするといったマナー面まで、初めての体験の連続にお子さんの心は大きく成長することでしょう。

安全には十分注意し、いまのパパやママのレベルに合ったところから、少しずつアウトドアへと足を踏み出してみて下さいね。

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

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