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【実体験あり】理学療法士が安心して妊娠・出産を迎えるために

【実体験あり】理学療法士が安心して妊娠・出産を迎えるために

2023.02.15

理学療法士として働かれている女性の中には、これから出産を控えている方も多いのではないでしょうか。
理学療法士の仕事のイメージには「しんどい」「体をつかう」などが挙げられます。
実際、理学療法士として働いていますが体を使う場面が多く、移乗や歩行練習では力が必要になります。
理学療法士として働きながら、妊娠・出産を無事に迎えられるか心配ですよね。
そこで今回は、私の実体験を含めて理学療法士の妊娠・出産についてお話していきたいと思います。

理学療法士の5人に1人は切迫流産を経験

流産は妊娠全体のうち、約10~15%の確率で起こります。流産自体は決して珍しいことではありません。
しかし理学療法士に限らず、医療職の女性は妊娠・出産に関わるトラブルが多いとの報告があります。
2013年の理学療法士協会の調査によると「経産婦の5人に1人が切迫流産を経験している」ことが分かりました。

流産と勘違いされている方もいますが、切迫流産は「赤ちゃんが流産しやすい状態」のことを指します。
切迫流産と診断された場合には、無理な運動や身体の負担を避ける必要があります。
また「精神的なストレスも影響がある」といわれているので注意しましょう。

切迫流産の場合は担当医と相談し、どの程度の安静が必要なのか確認をとってください。
切迫流産全体では、約90~95%が正常の妊娠に戻ります。
過度に心配する必要はありませんが、理学療法士の場合は早急に対応することがオススメです。

上司には早めの妊娠報告を

妊娠の報告のタイミングでよく耳にするのが「安定期に入ってから報告する」ケースです。
しかし理学療法士の場合は、妊娠が分かった時点で上司に報告してください。

理学療法士は立ち仕事が多く、移乗や歩行介助など重労働です。
妊娠初期から業務内容を変更してもらえれば、切迫流産のリスクを軽減できます。
上司への報告は、心拍が確認できて母子手帳を受け取るタイミングがオススメです。

切迫流産・早産になった場合の対応

切迫流産・早産になった場合の対応としては、多くの理学療法士が「休暇」を利用しています。
または「患者数の軽減」「短時間勤務」「リスクの高い患者から担当を変更する」場合が多いです。

理学療法士の数が多い病院などでは、上記のような対応が比較的取りやすいようです。
しかしデイサービスなどの1人職場や、理学療法士の数が足りない職場では、業務内容を変更することは難しいかもしれません。

安心して妊娠・出産を迎えるために

新卒で就職する際には「妊娠・出産」を考えることなく、就職先を決めた方がほとんどだと思います。
結婚するタイミングで「今の職場が妊娠して子供を育てていきやすい環境なのか」見直すことをオススメします。
「残業が多い」「休日出勤が多い」「休みが取りにくい」「子育て中の理学療法士がいない」など、このような職場では妊娠・出産・子育てをしながら働くのは難しいかもしれません。

転職は勇気がいりますが、妊娠・出産はいつ何が起こるか分かりません。
安心して妊娠・出産を迎えるために、今の職場の環境を一度見直してみてください。

後期流産を経験して

私が働いていた職場は理学療法士の数も多く、先輩ママたちが多く働いていました。
休みも比較的取りやすい環境でしたので、1人目の妊娠・出産は何事もなく無事に迎えることができました。

2人目は望んでいましたが、なかなか恵まれず……。
やっとお腹に授かった時、流産しないように「絶対に仕事で無理はしない!」と強く思っていました。
2人目だったこともあり、1人目の時より気持ちも楽に仕事をセーブできていたと思います。
しかし妊娠6か月の時、切迫流産になりそのまま出産してしまいました。
赤ちゃんは生まれて2時間だけ生きていてくれて、お空へ還りました。

前々日、仕事中にお腹の張りを感じて病院に行ってはいましたが、流産を防ぐことはできませんでした。
私の場合は「子宮頚管無力症」という状態で、頸管長が短くなり流産しやすかったようです。
1人目を問題無く産んでいたため気付くことができず、このような結果になってしまいました。
100%仕事が問題ではありませんが、それでも「仕事で無理をしたせいだ」と後悔しない日はありません。

その後、3人目を授かりました。
子宮頚管無力症だったため、子宮を縛る手術を受け、そのまま出産まで仕事はお休みさせてもらいました。
自宅で安静にできたおかげで、3人目は無事に出産することができました。

私が出産まで長期休みを取れたのは、職場の環境が整っていたおかげだと思います。
私のような悲しい経験をする方が増えないように、女性理学療法士の方々には安心して妊娠・出産ができる環境を選択していただきたいです。

女性理学療法士が安心して妊娠・出産するために

2022年の時点で、理学療法士の男女比は6:4と、ほとんど差がなくなっています。
理学療法士として活躍する女性が増えてきているのが現状です。
また年代別では20代が最も多いため、これから結婚や出産を控えている方がほとんどなのではないでしょうか。

女性理学療法士の数は、これからも増えていくでしょう。
今後の課題は、理学療法士として働く全ての女性が、安心して妊娠・出産が迎えられる環境を作っていくことです。
妊娠・出産を経験された理学療法士の先輩達は、自身の経験を元に職場環境を見直してみてくださいね。

この記事のライター

藤田

本業では約10年間、病院での理学療法士業務を経験し、現在はデイサービスで機能訓練指導員として働いています。 プライベートでは、小学2年生と3歳の兄弟の子育てに日々奮闘しながら、ライターとしても活躍中です。

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