2023/04/24

この春お子さんが小学校に入学したご家庭の皆様、ご入学おめでとうございます!

小学校では初めての体験がいっぱいですが、朝、近所の子供たちが公園などに集合してみんなで学校に行く「集団登校」もそのひとつですよね。

「慣れるまでのあいだは親が集合場所まで付き添うべき?」
「下校時には1年生の子は1人になってしまうのでは?」
「引っ越し先では今と違って集団登校がある(ない)ようだけど、どっちがいいんだろう」

そんな疑問や、メリットやデメリットについて実際のママ・パパの体験談もまじえて解説します。

疑問その1「付き添いはいつまで必要?」

集団登校では、町内会やマンションなど一定のエリアの子供たちがいったん集合してから学校に向かいます。

自宅の位置によっては、その集合場所まで1人で行かせるのもちょっと心配……ということも。

また、ちゃんと班長の高学年児童の指示に従って歩けるのかなど、慣れないうちは学校まで登校班と一緒に歩いてみたり、途中の大きな交差点を渡るまで様子を見ながら付き添うママやパパもいます。

とはいえ、ママやパパも仕事や家事、下の子のお世話などもあり、毎日の付き添いは難しいこともありますよね。

現在2年生のお子さんがいるAさんは

「小学校入学を機に隣の学区に引っ越したので、子どもが不安がり、1学期いっぱいは学校まで一緒に行っていました。そのうちに近所の子の顔も分かり友達もできたので、2学期からは付き添いは集合場所までにして、それも毎日ではなくだんだんと減らしていきました」

と体験を話してくれました。

他にも多くのママ・パパから、集団登校に付き添うのは小学校の1学期中、あるいは距離や頻度を減らしながら1年生の間は続けたという声が寄せられています。

疑問その2「下校は1人ぼっち、どうしたらいい?」

小学校では、朝は全員が同じ時刻に登校しますが、帰りは学年によって終わる時間が異なります。

1年生はもっとも授業時間が少ないうえ、給食がスタートするのが5月のゴールデンウィーク前後という学校も多いため、4月はかなり早い時間に下校することになります。

1年生の子が1人で慣れない道を歩いて帰ってくるのは、ルートによっては少し心配ですよね。

現在2年生のお子さんがいるBさんは

「うちは学区の端で距離が遠い上に、途中に河川敷と倉庫の淋しい道が続くので、パートの時間を早朝に変えて早上がりにしてもらい、毎日途中まで迎えに行っていました」

と話します。

ただ、4月当初は防犯や交通安全に配慮して、下校時は先生方が自宅近くまで引率してくれる小学校も多く見られます。

学校の規模や方針にもよりますが、現在6年生と4年生のお子さんがいるCさんによるとこんな体験談も。

「長男が入学したときは近所に同級生の子がいたので一緒に帰ってこられましたが、下の子は町内に同学年の子がいなくて、パートを減らして迎えに行かなきゃいけないかな…と覚悟していたのですが、4月いっぱいは担任の先生が近くまで一緒に帰ってきてくれて。安心だし、パートもそこまで休まずにすみ助かりました」

疑問その3「集団登校って必要?子どもへのメリットは」

現在、すべての小学校で集団登校を実施しているわけではなく、少し前のデータですがおよそ全国で63%と報告されています。

参考

「集団登校でトラブルがあった」「集団登校は廃止すべき」といった声も聞かれる中、子供にとって集団登校はどのようなメリットがあるのかを考えてみたいと思います。

  • 交通安全…1人よりも集団の方が目立つため、ドライバーから見つけやすく、事故を回避しやすくなります。
  • 防犯対策…人通りのない通学路で不審者に遭遇した場合、1人と集団では危険度が大きく違います。
  • 登校確認…個別登校の場合、途中で体調不良やトラブルが起きて学校に来られないときに発見が遅れる可能性があります。
  • 他学年との交流…高学年が低学年をサポートしたり危ないときに注意したりと交流の場にもなります。

もちろん上記にも例外はあり「集団だと歩きながらふざけたり、周囲に注意がいかなくなったりで余計に危ない」「意地悪な子がいて、クラスは楽しいのに登校を嫌がる」「子供が6年生で班長になったが、いつも遅刻してくる子がいて置いていっていいのか分からず困る」などの声も聞きます。

それぞれの困りごとに対しては、親子だけでなく学校や保護者同士でこまめにコミュニケーションを取りながら、子供たちができるだけ安全に楽しく登校できるように改善を図っていきたいですね。

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

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