「ピルは市販でも購入できるの?」「どうすればピルが手に入るの?」
日本ではピルの普及率が低いと言われています。「Contraceptive Use by Method 2019」を見てみると、普及率はわずか2.9%しかありません。
しかし、近頃ではピルの処方が身近になったことから、服用している方が増えてきている印象があります。そのため、ピルに興味をもっている方も多いのではないでしょうか。
しかし、どうすれば購入できるのか、何か注意点はあるのかなどお悩みの方もいるかと思います。そこで今回は、ピルを購入する方法や注意点などについて詳しく見ていきましょう。
ピルには低用量ピルや中用量ピル、アフターピル(緊急避妊薬)などいくつか種類があります。必要なときに市販で購入できたら便利ですよね。ピルは市販でも購入できるのでしょうか。
残念ながら、ピルはどの種類も市販はされていません。そのため、ピルを服用したい場合は医療機関を受診する必要があります。
現状では、医師の診察を受けないとピルは手に入らないのです。もちろん、調剤薬局であっても処方箋がなければピルを受け取ることはできません。
いくつか種類があるピルのうち、アフターピルについては市販される可能性があります。市販で購入できるようにすることで「性が乱れる」「安易に中絶する女性が増える」など懸念する声があるものの、女性を守るための薬としてアフターピルは重要視されているのです。
オンライン署名キャンペーンを行ったところ、12万筆もの賛同が集まったことから、アフターピルの市販化には多くの方が賛同していることが伺えます。
現時点でアフターピルは市販されていません。しかし、物理的ハードルや心理的ハードルにより必要な女性が必要なときにアフターピルへアクセスできない状況もあることから、市販でも購入できるようにと声を挙げる方が大勢います。
ピルのなかでも服用している方が多いのが低用量ピルです。ピルと聞くと避妊を思い浮かべる方がまだまだ多いのが現状ですが、低用量ピルにはほかにも効果があります。避妊も含めて低用量ピルの効果を見ていきましょう。
低用量ピルには、避妊効果があります。毎日1錠飲むだけで確実な避妊ができることが大きなメリットです。
厚生労働省のデータによると、理想的な方法で低用量ピルを服用した場合の妊娠率はわずか0.3%であることが分かっています。対して、コンドームの妊娠率は2%です。
コンドームはドラッグストアや薬局で手軽に購入できることがメリットですが、低用量ピルはコンドームより高い避妊効果を発揮します。
低用量ピルは、月経不順や月経過多の改善にも効果的です。避妊ではなく、これらの効果を期待して服用している方も大勢いるでしょう。
低用量ピルを服用すると、薬効成分が配合された錠剤を飲んでいるときは月経が止まり、薬効性成分が含まれない錠剤を服用しているときに月経が来るというサイクルができます。
そのため、服用している間は月経が規則的に来るようになるのです。また、服用中は子宮内膜の厚みが減少するため、月経過多も改善されます。
PMSとはPre Menstrual Syndromeの略で、月経前に起こる頭痛や体重増加、便秘や無気力などの症状が起こることです。原因はいまだ明確には分かっていません。
一説によると、月経周期に伴ってエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が変動するためだと考えられています。低用量ピルを服用すると、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が一定になるため、PMSが改善されるのです。
「低用量ピルを使ってみたい」「アフターピルが欲しい」と思っても、どうすれば購入できるのか分からない方もいるでしょう。
アフターピルを市販でも購入できるようにしようという働きが始まる何年も前に、「アフターピルはありますか?」と聞く女性の姿をドラッグストアで見かけたことがあります。現時点でピルを購入する方法は、次の2つしかありません。
ピルが欲しい場合は、産婦人科を受診するのが一般的でしょう。症状によっては子宮や卵巣に異常がないかも検査してもらえるので、より自分に適した治療が行えます。
しかし、産婦人科を受診することに対して「怖い」「なんとなく行きづらい」と感じている方が少なくありません。そのため、産婦人科を受診すれば良いと頭で分かってはいても、なかなか足を運べない方もいます。
そのような方は、次に紹介する「オンライン受診」をしてみるのもよいでしょう。
最近では、オンライン上で受診から薬の受け取りまで完結するサービスがとても増えてきました。産婦人科まで足を運ばなくてもスマートフォンやパソコンを使って診察が完了するため、気軽に受診できると感じる方が多いようです。
「バレずにピルを服用したい」という方のために、郵便局留めで薬の発送を行っているクリニックもあります。受診のハードルが低いので、産婦人科になかなか足を運びづらい方はオンライン受診を検討してみてはいかがでしょうか。
ピルは産婦人科を受診するか、オンライン受診をすることで手に入れることができます。しかし、一部では個人輸入する方がいることが問題視されています。
個人輸入を行えば、産婦人科を受診することなく安価でピルを手に入れることが可能です。購入方法も通常のネット通販とほとんど変わらないことから、受診せず個人輸入を続けている方もいます。
しかし、ピルの個人輸入はおすすめできません。ピルには多くの種類があるため、自己判断で自分に合うものを見つけるのは非常に困難です。
さらに、血栓症のリスクが高い方はピルの服用ができません。安全かつ効果的な治療を行うためにも、ピルを個人輸入するのは控えましょう。
インターネットを介して購入できるED治療薬について調べたところ、半分以上が偽物だったと厚生労働省は注意喚起をしています。ピルについてどれくらい偽物が混ざっているのかを調べたデータはありませんが、個人輸入をする以上、リスクをゼロにすることはできません。
薬効成分が規定通り入っていなかったり、表示とは違う成分が入っていたりすることがあるため、個人輸入は決してしないようにしてください。
ピルを購入したい場合は、必ず産婦人科を受診してください。必要に応じて検査をしてもらえることから、実際に足を運ぶのをおすすめしますが、オンラインのクリニックでも構いません。
安さや手軽さに惹かれて個人輸入だけはしないようにしてください。産婦人科は怖いところではありませんので、考えすぎず気軽に受診しましょう。
最後に、ピルに関する質問にお答えします。
基本的に月経困難症や子宮内膜症の治療を目的とする場合は保険適用となります。避妊や月経移動を目的とする場合は保険適用外ですので注意してください。
低用量ピルや中用量ピルを服用することで月経移動ができます。
ピルと同じ仲間の薬は販売されていません。しかし、PMSや月経過多などに対応した漢方薬でしたら市販されています。ピルのようにホルモンを含んだ薬は市販されていないので気をつけましょう。
ピルは市販されていないため、産婦人科を受診して処方してもらう必要があります。近頃ではオンラインで診察してくれるクリニックも増えてきましたので、うまく活用してみてください。
アフターピルに関しては、今後の動き次第では市販される可能性もありますが、現時点では処方してもらう必要があります。ピルには多くの種類がありますので、医師に相談して自分に合うものを処方してもらいましょう。
薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。
「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」
こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。
市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。
そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。
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