「ワキガに効く市販薬はある?」「どうすればワキガを治せるの?」
このようなことでお困りではありませんか?ワキガのにおいは、気になっていてもなかなか周りに相談しづらいため、一人で悩んでいる方が多いのではないでしょうか。
市販薬のみで根本的に治療するのは難しいですが、においや汗をある程度抑えることはできます。
今回はワキガにおすすめの市販薬やワキガの一般的な治療方法などについて見ていきましょう。
ワキガは腋臭症とも呼ばれており、わきの下から独特の強いにおいを発する状態のことです。日本では約10人に1人がワキガを発症していると言われています。体臭が強いこと=ワキガと思われている方もいますが、実はそうではありません。
ワキガのにおいは「スパイスのようなにおい」「硫黄のようなにおい」「カビのようなにおい」と例えられることが特徴です。どれか1つのにおいがすることもあれば、複数のにおいが混ざったような状態になっている方もいます。
男女比は1:1でほぼ同じです。ただし、男性のほうがにおいは強い傾向にあります。強いにおいを発しますが、近くにいる人にワキガそのものがうつることはありません。また、肥満の方はにおいが強いイメージがあるかもしれませんが、肥満とワキガには関連性がないことが分かっています。
ワキガかどうかセルフチェックする方法として、耳垢の湿り具合を見る方法があります。耳垢が湿っている方はワキガの可能性が高いと言えるでしょう。
なぜ耳垢がワキガに関係するのかというと、アポクリン腺の分泌物によって湿った耳垢になるためです。耳垢が乾燥している方でワキガを発症している方はあまりいません。
汗腺には、アポクリン腺とエクリン腺の2種類があります。アポクリン腺は脇や乳首、陰部に多く、エクリン腺は全身に見られるものです。
ワキガの発症には、アポクリン腺が関係しています。アポクリン腺から分泌される汗にはタンパク質や脂質などが含まれており、これらの成分が皮膚の常在菌によって分解されることで強いにおいを発するようになるのです。
エクリン腺は汗腺として独立して存在していますが、アポクリン腺は毛根に開口部があります。つまり、脇毛の量が多い方ほどアポクリン腺の数も多いのです。実際に重症のワキガの方では、脇毛の量が多いことが知られています。
アポクリン腺の数が多いからといって、必ずしもワキガになるわけではありません。ワキガの発症にはいくつかの原因があります。
ワキガは遺伝することが分かっています。優性遺伝するため、両親のうちどちらかがワキガであれば、その子どももワキガを発症する可能性があるのです。
具体的には、16番目の染色体にあるABCC11遺伝子がワキガの発症に関係していることが分かっています。この遺伝子によって、アポクリン腺の数が子どもに引き継がれる可能性があるのです。
ただし、両親のどちらかがワキガだからといって、100%遺伝するわけではありません。日本人の場合は約10%の頻度で遺伝すると言われています。
ちなみに、白人や黒人の場合は、においの程度の差はあるものの、ほとんどの方がワキガだそうです。
性ホルモンの働きもワキガの発症に関係しています。一般的に、ワキガを発症するのは10代後半から20歳頃です。思春期になると分泌量が増える性ホルモンには、アポクリン腺の働きを活発にする働きがあります。そのため、中学生から大学生くらいの年齢で発症する方が多いのです。
なお、アポクリン腺は思春期の方だけでなく赤ちゃんにも存在します。しかし、赤ちゃんのような小さな子どもでは性ホルモンの働きが十分ではないためワキガを発症することがないのです。
思春期の方以外に、妊娠や出産、月経などによって一時的にワキガの症状が出るケースも見られます。女性はホルモンバランスが変化しやすいため、時期によってにおいの強さが変わることが少なくありません。
ワキガは普段の生活習慣が原因となって発症することもあります。大きく影響を与えやすいのが食生活です。動物性のタンパク質は、アポクリン腺を刺激するためワキガを発症しやすくなります。肉を好んでよく食べる方は気をつけましょう。
また、脂っぽい食事を摂ることが多い方、喫煙している方もワキガを発症しやすいことが分かっています。生活習慣によってにおいが強くなったり弱くなったりしますので、ワキガが気になる方はにおいが強くならないように気をつけることが大切です。
脇毛を処理せずそのままにしておくのもにおいの原因となります。脇毛があると雑菌が繁殖してにおいがこもりやすくなるため、剃毛して常に清潔な状態を保つように心がけましょう。
ドラッグストアや薬局では、数多くのデオドラント製品が販売されています。どれを選んだら良いのか迷ってしまう方も多いでしょう。
ワキガに効果的な商品を選ぶためには、まずどのような成分が配合されているのかをチェックすることが大切です。
市販のデオドラント製品を購入する場合は、必ず有効成分を確認してください。ワキガに有効な成分としては、おもに次の3つの成分が知られています。
イソプロピルメチルフェノールは殺菌成分です。雑菌の繁殖を防ぐことでワキガの症状を抑えます。
クロルヒドロキシアルミニウムは、汗腺に蓋をすることで物理的に汗の量を減らす成分です。汗の量そのものを減らしてにおいのもとを絶ちます。
ミョウバンは抗菌作用と毛穴を引き締める作用がある成分です。においと汗を元から防ぎます。
デオドラント製品には、スティックやスプレー、クリームや液体などさまざまな剤形があります。手を汚さず塗りたい方やスティックやスプレー、手でしっかり塗り込みたい方はクリームなど、自分の好みに合わせて選ぶようにしましょう。
デオドラント製品は長く使うものなので、続けやすい値段かどうかをチェックすることも大切です。基本的にデオドラント製品は使っている間しか効果がありません。有効成分がしっかり入っており、なおかつ無理なく購入できるものを選びましょう。
それでは、ワキガにおすすめの商品を紹介します。
リフレア デオドラントクリームは、長年多くの方に愛用されている商品です。ベンザルコニウム塩化物とイソプロピルメチルフェノールの2つの殺菌成分が配合されています。脇にしっかりと密着するため、効果が持続しやすいことが特徴です。
デオナチュレ ソフトストーンには、焼ミョウバンが有効成分として配合されています。微粒子化した焼ミョウバンが肌に密着し、抗菌作用や肌を引き締める作用を発揮することでワキガのにおいを軽減する商品です。
クロルヒドロキシアルミニウムが主成分として配合されています。汗腺に蓋をして汗をかきにくくし、ワキガのにおいを抑える商品です。1962年に発売されて以来のロングセラー商品で、ワキガや汗に悩む方のお守り的存在として親しまれています。
市販のデオドラント製品を使ってもワキガを根本的に改善することはできません。デオドラント製品を使ってもあまり効果が実感できない場合は、皮膚科などを受診しましょう。
アポクリン腺を切除したり汗をブロックする注射をしたりなど、医療機関でしか受けられない治療がいくつか存在します。きちんと治療を受けることでにおいが大きく軽減されることもあるため、気になる方は早めの受診がおすすめです。
10人に1人が悩んでいると言われているワキガ。アポクリン腺から分泌される汗に含まれているタンパク質や脂質が常在菌によって分解されることでにおいが発生します。
においを抑えたい方は、イソプロピルメチルフェノールやクロルヒドロキシアルミニウムなどの有効成分が配合された市販の商品を選びましょう。
デオドラント製品を使ってもにおいが改善されない場合は、医療機関の受診をおすすめします。治療法によっては根本的にワキガを改善することもできるため、気になる方は我慢せず早めに受診しましょう。
薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。
「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」
こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。
市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。
そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。
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