一人っ子や長男長女の親御さんからよく聞くのが、「子供がマイペースで将来が心配」「長所なのか短所なのか判断に迷い、どう育てるべきか」といった心配ごとです。
今回は、マイペースな性格のお子さんの良いところ、マイペースな性格を仕事や人間関係に生かしていく方法をご紹介します。
よく耳にする「マイペース」ですが、では具体的にどういった性格や行動をいうのか?と聞かれると、なんとなくしか答えられないのではないでしょうか。
マイペースは「my(私の)+pace(速度、歩調)」と、英単語の組み合わせではありますが、実は和製英語です。
もともとはスポーツ競技等で「周囲に惑わされペースが狂ってリタイアするよりも、自分に合ったペースで進めて納得のいく結果を手にしよう」といった指導をするときに使われていました。
転じて、日常生活や仕事でも、周囲に影響されず自分のしたいことを優先する様子や、そういう性格も含めて「マイペース」と評されるようになりました。
入試や就職の面接でも、マイペースは短所なのか長所なのか…という疑問を持つ人が多いことからもわかるように、「マイペース」は時と場合や相手によって良くも悪くも捉えられる性格だといえます。
たとえば「マイペース=行動が遅くて周りを待たせる」というマイナスイメージがある方も多いかと思います。
しかし逆に部活や職場全体が「いかに手を抜いてラクをするかがすべて」という環境なら、それに流されずきちんと努力や成長を続けられるのはマイペースな人ならではの利点、長所といえます。
また「マイペース=自分勝手、自己中心的、わがまま」と表現されることもありますが、これは各自の持つ他の性質と混同されていることも多く、ふだんは自分のやりたいことやペースを優先していても、友だちが困ったときにはそれを中断して手伝ったり助けたりする子も多く、必ずしも「他人に興味がない」「自分さえよければいい」というわけではありません。
現在、幼児や小学生くらいまでのお子さんを育てているママ・パパの中には、「この子はこんなにマイペースで学校生活についていけるのか」「将来ちゃんと働けるのかな?」と心配している方もいるのではないでしょうか。
たしかに、マイペースな子は自分の気が済むまで物事に取り組んだ結果、集合時間に遅れたり、宿題や提出物に自分の気が向くまで取りかかろうとせず間に合わなかったり……といったことが起こりがちです。
しかしその反面、周囲がうるさくても勉強に集中できたり、試合や入試本番などのプレッシャーのかかる局面で雰囲気に呑まれることなく実力を出せたりという強みもあります。
また就職後も、「空気が読めない」と言われる可能性がある一方で、無理な働き方をさせるいわゆるブラック企業で必死に周りに合わせようとして疲弊してしまう、パワハラやセクハラを我慢してしまう……といったことが比較的起こりにくいでしょう。
子供の頃から親や先生など周囲の期待に応えることを頑張りすぎて、いざ社会に出たら「自分は何がやりたいのか分からない」という悩みを抱える人も多い中で、マイペースな性格の人は自分の好きなことや今やりたいことがはっきりしているため、起業や自営業などで成功する可能性も高いです。
マイペースなお子さんを育てているママ・パパで、お子さんとタイプが違う場合、どう育てたらいいのか迷うかもしれません。
「この子のマイペースなところを早く直さなくては」と焦るかもしれませんが、短所と捉えて直そうとばかりすると、せっかくの良さを押さえつけてしまいます。
生きていく上で協調性はもちろん大切ですが、成長とともに少しずつ身に付いていくことも多いので、マイペースさを大切にしつつ「この場面ではみんなとペースを合わせようね」とポイントを絞って伝えていきましょう。
家庭での接し方のコツとしては
などがあります。
スポーツや習い事を選ぶときには、マイペースな子には基本的には陸上・水泳・武道・ピアノなどの個人競技が向いていますが、本人が好きならあえてサッカーやバレーボールなど臨機応変に周囲を見て動きを合わせる団体競技や、吹奏楽やダンスなどを選ぶのもおすすめ。
あくまでも本人が続けたいというのが前提ですが、もともと苦手な「他人とタイミングを合わせる」というスキルが伸ばせる良い機会です。
ママ・パパが気配りじょうずで、周りの人に合わせるタイプの場合、マイペースなお子さんに対してイライラしたり、うまくやっていけるのかと心配になったりするかもしれません。
しかし、マイペースな子は、周りに合わせて誰かの悪口を言う・勝つために汚い手を使ってライバルを蹴落とす・優位に立つためにマウンティングする…といったことをしないため、「一緒にいると癒される」「安らぐ」と、意外と人気があったりします。
「集合時間を守る」といったルールは身につけながらも、マイペースなお子さんの良い面を伸ばしてあげたいですね。
私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。
娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。
親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。
しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。
まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。
より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。
現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。
かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。
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