CBDとは?効果やTHCとの違い、違法性について解説

2024/01/24

リラックスしたい、気持ちを落ち着かせたいという方に近頃人気なのがCBDです。顆粒や粉末、錠剤やグミなどさまざまな形でCBDが販売されています。

しかし、「具体的にどのような効果が期待できるの?」「何が凄くてこんなに注目されているの?」と疑問に思っている方も多いでしょう。なかには「CBDは違法なのでは?」と気になっている方もいるかと思います。

そこで今回は、CBDに期待されている具体的な効果や違法性などについて詳しく見ていきましょう。

CBDとは?

CBD(カンナビジオール)が流行しだしたのは、ここ数年のことです。なんとなく名前だけ知っているという方もいるでしょう。

CBDとは大麻から取れる成分の一種のこと

CBDとは、Cannabidiolの略称です。大麻から発見された成分として知られています。大麻と聞くと、なんだか怖いと感じるかもしれません。

穂や葉、根から取れる成分はTHC(テトラヒドロカンナビノール)と呼ばれ、日本では使用が禁止されています。一方で、種や茎から取れる成分はCBDと呼ばれており、こちらは日本でも許可されている成分です。

CBDとTHCの違い

CBDは身体への依存性がありません。そのため、大麻から取れる成分ではあるものの、とくに規制を受けていないのです。不安や緊張をやわらげる効果があることから、リラックスしたい方向けの商品が販売されています。

THCは依存性があり、CBDとは違って逆に神経を興奮させる成分です。CBDとTHCはどちらも大麻から取れる成分ということもあり、構造がとても良く似ています。しかし、わずかな構造の差が効果の違いを生み出しているのです。

CBDは合法?それとも違法?

CBDは合法の成分です。大麻から取れる成分と聞くと、不安に思う方が多いでしょう。しかし、CBDを使用したとしても法律違反になることはありません。

THCが精神に強い影響を与える一方で、CBDは緩やかに効果を発揮します。依存性もないため、合法として扱われているのです。

ただし、まれにですがTHCが混入しているCBDが販売されていることがあります。厚生労働省からもCBDにTHCが混入いる商品があったと忠告が出されているので、購入するときはTHCが混入していないことをきちんと検査しているメーカーのものを選ぶようにしましょう。

参考

CBDは製法によって3つの種類に分けられる

CBDは製法によって3つの種類に分けられます。どの製法で作られたものかによって効果が変わるので、購入する際は製法もチェックしておきたいものです。

フルスペクトラム

フルスペクトラムとは、大麻に含まれているすべての成分が含まれたものです。CBDだけでなくTHCも含まれているため、アントラージュ効果が期待できます。

アントラージュ効果とは、同時に複数の成分を摂取することでより高い効果が期待できるようになることです。フルスペクトラムのCBDにはさまざまな成分が含まれているため、効果が出やすいと言われています。

しかし、日本では微量でもTHCが入っているものは違法です。海外ではフルスペクトラムのCBDも販売されていますが、日本では違法となるので気をつけましょう。

ブロードスペクトラム

ブロードスペクトラムとは、CBD以外にミネラルやテルペンなども含まれている製品のことです。THCは含まれていないため、違法にはなりません。複数の成分が含まれているため、アントラージュ効果が期待できます。

アイソレート

大麻には400種類以上の成分が含まれていますが、その中からCBDのみを抽出したものがアイソレートです。もちろん、違法となるTHCは含まれていません。

ほかの成分が含まれていないのでアントラージュ効果は期待できませんが、大麻特有の苦味がほとんどなく日常使いにはもっとも向いていると言えるでしょう。

CBDに期待できる効果

CBDにはさまざまな効果が期待できます。ここでは代表的な効果について5つ紹介します。

ストレス緩和

CBDにはストレスを緩和する効果があると言われています。摂取することでセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質に働きかけ、自律神経を整えてくれるためです。これにより、体がリラックスしてストレスをやわらげることができます。

ストレスを軽減してくれることから、うつ病やパニック障害などの精神疾患の改善にもつながるのではと期待されています。

不眠の緩和

CBDは不眠を緩和する効果があると言われています。不眠の症状に悩む方がCBDを摂取することで、睡眠時間の延長につながったという報告がされているのです。

ただし、CBDがどのようにして不眠に効くのか、メカニズムについてはまだ明らかになっていません。現時点では、セロトニンを活性化することで睡眠のサポートをしていると考えられています。

肌トラブルの改善

日本化粧品協会によると、CBDには抗酸化作用や抗炎症作用などがあるため、ニキビやアレルギー性皮膚炎などの改善に効果があるとされています。

ただし、このような肌トラブルにCBDがなぜ効果を発揮するのかは明確には分かっていません。ニキビに対するCBDの効果を調べた研究によると、CBDが皮脂の分泌や炎症を抑える働きがあることが分かっています。

エイジングケア効果

CBDには抗酸化作用があります。そのため、エイジングケアにも効果的です。体は酸化によって老化が進むと言われています。抗酸化作用が働くと酸化から体を守ってくれるため、若々しい状態を保つことが可能です。

自律神経の調整

自律神経とは、交感神経と副交感神経のことです。この2つの神経はお互いに拮抗しながらバランスを取って働いています。しかし、何らかの理由でバランスが崩れてしまうことも少なくありません。

自律神経が乱れると不安感や緊張感が強くなることがあります。CBDには自律神経を整える働きがあるため、自律神経の乱れによって引き起こされる症状を改善する効果が期待されています。

CBDは医療分野でも注目されている

CBDは私たちの暮らしを豊かにする成分として一般の方にも使われていますが、実は医療現場でも活用できるのではと期待がもたれている成分でもあります。

てんかん発作の抑制

CBDにてんかん発作を抑制する可能性があることから、難治性てんかんをもつ患者さんを対象に研究が行われました。この研究によると、CBDを摂取してもらうことで発作の頻度が減少したそうです。このことから、CBDがてんかんの治療に有効である可能性があります。

参考

がんの痛みを軽減

南フロリダ州が行った研究では、CBDを使用することでがんの痛みが軽減することが分かっています。鎮痛剤を使用する量も減らすことができました。また、CBDにはがん細胞の増殖を抑制する効果もあるのではと期待されています。

参考

不安障害を軽減

CBDにはセロトニン受容体に働きかける効果があるため、不安障害の軽減にも有効だと考えられています。実際にCBDを社会不安障害の方に摂取してもらったところ、不安を軽減することに成功しました。

参考

CBDに副作用はある?

CBDを大量に摂取すると、めまいや吐き気、下痢や食欲不振が起こると言われています。ただし、一般的な量で摂取した場合はほとんど副作用は起こらないと考えられているので過度な心配は不要です。

不調が続くときは医療機関を受診しよう

CBDはストレス緩和や肌トラブルの改善、エイジングケアなどに効果があると期待されています。そのため、何となく不調が続くときにCBDを使用している方もいるでしょう。

しかし、CBDは薬ではありません。多くの効果があるとは言われていますが、薬と同等の効果が期待できるものではないので注意してください。不調が続くときは、早めに適切な医療機関を受診するようにしましょう。

まとめ

CBDは大麻に含まれている成分の一種です。THCとは違い、違法性はありません。依存性を示すことがないため、安全に使用できます。

CBDはさまざまな効果が期待されていますが、なかでもストレス緩和や不眠の改善、自律神経の調整などの効果が代表的です。薬ではないため、日々のケアとして使用すると良いでしょう。

コラムニスト

薬剤師ライター  岡本 妃香里 

薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。

「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」

こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。

市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。

そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。

 関連記事

column/btn_column_page
トップ