喉が痛くなると、唾を飲み込むのも億劫になったり飲食ができなくなったりと非常につらいですよね。
喉が痛くなると、唾を飲み込むのも億劫になったり飲食ができなくなったりと非常につらいですよね。喉が痛くなるのは、ウイルスや細菌に感染したり喉を酷使したりすることが原因です。
喉の痛みを少しでもやわらげるために、医療機関の受診を考える方もいるでしょう。しかし、中には仕事や学校が忙しく、なかなか受診できない方もいます。
そのような方は、市販薬の使用を検討してみてください。この記事では、喉の痛みに効く市販薬や、痛みの原因などについて詳しく解説します。
喉が痛くなるのは、炎症が起こるためです。では、どのような理由で炎症が起きてしまうのでしょうか。ここでは主な原因を4つ紹介します。
ウイルスや細菌に感染すると、喉の細胞が破壊されるため炎症が起きてしまいます。喉はもともと、外部からウイルスや細菌が体内に入ってこないようにする場所です。
のどの粘膜にウイルスや細菌が付着すると、それを外に追い出そうとします。うまく追い出せず感染すると、炎症が起きて痛みが生じてしまうのです。
口呼吸をしたり乾燥した空気を吸ったりしていると、喉が乾燥して痛みを感じます。喉にある繊毛は、ウイルスや細菌を追い出すためのものです。喉が乾燥していると繊毛の働きが鈍くなり、体内に入ろうとする異物を排出できずに炎症が起こりやすくなります。
大声を出したりカラオケで何時間も歌ったりした後、喉が痛くなった経験はありませんか?これは、喉を酷使していることが原因です。喉を使いすぎることで炎症が起き、痛みを生じます。
喉が刺激を受けると、炎症を起こしやすくなります。たとえば、タバコの煙や花粉、ほこり、香辛料、アルコールなどは喉に刺激を与えやすいものの代表例です。刺激にさらされた状態が続くと、炎症を起こして痛みを生じます。
喉の痛みが出るのは、何もウイルスや細菌に感染したり、刺激物にさらされたりしたときだけではありません。花粉症や逆流性食道炎のように、病気が原因で痛みが出ている場合もあります。
花粉症といえば鼻水やくしゃみ、鼻詰まりなどが良くある症状です。しかし、花粉は喉にも影響を与えます。花粉で喉が痛くなるのは、アレルギー性咽喉頭炎が原因です。アレルギー性咽喉頭炎とは、アレルゲンが喉に付着することで起こる咽頭炎のことを指します。
花粉症がある方にとって、花粉は異物です。そのため、花粉によって炎症が起こり痛みを生じることがあります。このほか、花粉症によって分泌された鼻水が喉の粘膜を傷めているケースも少なくありません。
逆流性食道炎とは、主に胃酸が逆流することで食道に炎症が起きる病気です。喉の痛みとあまり関係がないように思えるかもしれませんが、胃酸の逆流が続くと喉の粘膜がダメージを受けて痛みを生じます。
特に思い当たる原因がないのに喉の痛みが続く場合は、逆流性食道炎も疑ってみましょう。逆流性食道炎では、ほかに空腹時の胸焼けや咳、声がれなどの症状が見られることもあります。
喉の痛みは市販薬でも対応できます。しかし、喉の痛みに効く市販薬は数多くあるため、どれを選んだら良いのか迷ってしまう方が多いのではないでしょうか。ここでは、自分に合う市販薬を見つけるための選び方を紹介します。
喉の痛みに効く市販薬には、次のような剤形があります。
服用しやすい剤形を選ぶことで、治療を継続しやすくなります。錠剤は、喉の炎症を抑えるトラネキサム酸が配合されたものが代表的です。粉は桔梗湯という漢方薬が使われたものが多いでしょう。トローチやスプレーは、殺菌成分や抗炎症成分が含まれています。
喉の痛みに効く市販薬には、いくつかの成分が配合されています。
トラネキサム酸 | 喉の炎症を抑える |
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アズレンスルホン酸ナトリウム水和物 | 喉の炎症を抑える |
セチルピリジニウム塩化物水和物 | 喉を殺菌消毒する |
ポビドンヨード | 喉を殺菌消毒する |
すでに出ている喉の痛みをやわらげたい方は、トラネキサム酸やアズレンスルホン酸ナトリウム水和物のように炎症を抑える成分が配合された市販薬がおすすめです。感染を防いで喉の痛みを予防したい方は、セチルピリジニウム塩化物水和物やポビドンヨードを選ぶとよいでしょう。
喉の痛みに効く薬のなかには、抗炎症成分や殺菌成分のほかにも成分が入っているものがあります。喉の痛みと共に咳の症状も出ている場合は、鎮咳成分のデキストロメトルファンやグアヤコールが配合されたものを選んでみてください。鎮痛作用のあるイブプロフェンが配合された商品もあります。
ここでは、喉の痛みに使える市販薬を紹介します。
炎症を引き起こすプラスミンの働きを抑えるトラネキサムが主成分の市販薬です。炎症を抑えるカンゾウ乾燥エキス、皮膚や粘膜の機能を正常にするピリドキシン塩酸塩やリボフラビン、L‐アスコルビン酸も配合されています。
有効成分 | トラネキサム酸、カンゾウ乾燥エキス、ピリドキシン塩酸塩、リボフラビン、L‐アスコルビン酸ナトリウム |
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用法用量 | 15歳以上:1日3回、1回2錠 7歳以上15歳未満:1日3回、1回1錠 |
喉の炎症を抑える効果がある漢方薬です。風邪で喉が痛いとき、喉を使い過ぎたときなどに役立ちます。2歳以上から服用可能です。体力にかかわらず使用できます。子どもに飲ませる場合は保護者の管理のもと使用してください。
有効成分 | 日局カンゾウ、日局キキョウ |
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用法用量 | 15歳以上:1日2回、1回1包 7歳以上15歳未満:1日2回、1回2/3包 4歳以上7歳未満:1日2回、1回1/2包 2歳以上4歳未満:1日2回、1/3包 |
のどぬ~る ナイテクトは、抗炎症成分のアズレンスルホン酸ナトリウム水和物と、殺菌成分のセチルピリジニウム塩化物水和物が配合されたスプレータイプの市販薬です。液体にとろみがついているので、有効成分が患部に長くとどまります。
有効成分 | アズレンスルホン酸ナトリウム水和物、セチルピリジニウム塩化物水和物 |
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用法用量 | 1日数回、適量を患部に噴射塗布してください |
鎮咳成分のデキストロメトルファンフェノールフタリン塩、去痰成分のグアヤコールスルホン酸カリウム、殺菌成分のセチルピリジニウム塩化物水和物が配合されたトローチです。5歳から服用できます。
有効成分 | デキストロメトルファンフェノールフタリン塩、グアヤコールスルホン酸カリウム、セチルピリジニウム塩化物水和物 |
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用法用量 | 11歳以上:1回1錠、1日6回まで 8~10歳:1回1錠、1日4回まで 5~7歳:1回1錠、1日3回まで |
のどの粘膜に生薬成分が直接作用して喉の不快感や荒れを改善します。水なしでいつでも服用できるのが特徴です。繊毛運動を正常にすることで喉粘膜のうるおいを守ります。続けて服用する場合は、2時間以上空けるようにしてください。
有効成分 | キキョウ、セネガ、カンゾウ、キョウニン |
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用法用量 | 15歳以上:1回1包、1日6回まで 11歳以上15歳未満:1回2/3包、1日6回まで 7歳以上11歳未満:1回1/2包、1日6回まで 3歳以上7歳未満:1回1/3包、1日6回まで |
鎮痛成分のイブプロフェン、抗炎症成分のトラネキサム、胃の粘膜を保護する乾燥水酸化アルミニウムゲルが配合された飲み薬です。喉の痛みだけでなく、頭痛や歯痛、腰痛や月経痛などにも効果があります。
有効成分 | イブプロフェン、トラネキサム酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル |
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用法用量 | 15歳以上:1回3カプセル、1日3回まで |
喉の痛みが出ないように予防するためには、喉に負担をかけないようにすることが大切です。
空気が乾燥すると、喉が異物を追い出すための防御機能の働きが低下し、喉に炎症が起こりやすくなります。加湿器を使ったり濡れたタオルを干したりして室内の湿度を適度に保つようにしましょう。
辛いものやアルコール、タバコなどは喉に負担をかけます。炎症を起こす原因になるため、負担をかけやすい飲食物や喫煙はできるだけ避けてください。
うがいは喉の痛みを予防するのに効果的です。外出先から帰ってきたら、うがいをして喉に付着したウイルスや細菌、汚れなどを落とします。うがい薬を使っても構いませんが、水でうがいしても十分な効果があります。
次のようなときは、医療機関を受診しましょう。
このような場合は、急性咽頭炎を起こしていたりインフルエンザにかかっていたりする可能性があります。早めに内科や耳鼻咽喉科などを受診して診てもらいましょう。
喉の痛みに効く市販薬はいくつか種類があります。喉の炎症を抑えたい方はトラネキサム酸やアズレンスルホン酸ナトリウム水和物、感染を防ぎたい方は殺菌成分のセチルピリジニウム塩化物水和物やポビドンヨードなどが向いています。
喉の痛みが1週間以上続くときや高熱も出ているときは、急性咽頭炎やインフルエンザなども考えられるので早めに医療機関を受診しましょう。
薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。
「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」
こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。
市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。
そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。
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