「健康診断でLDLコレステロールを指摘されたけど、何から対策を始めたらいいのか分からない」とお悩みではありませんか?処方薬と同じ成分を使った市販薬はありませんが、市販薬でも血清高コレステロールの改善ができます。
今回は、LDLコレステロールが気になる方でも使いやすい市販薬や、LDLコレステロールを下げるための生活習慣について詳しく解説します。
LDLコレステロールの正常範囲は140mg/dl未満です。140mg/dl以上の場合は、高コレステロール血症と診断されます。コレステロールと聞くと悪いもののように思えますが、LDLコレステロールも体には必要なものです。
LDLコレステロールは、肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ働きがあります。増えすぎると動脈硬化を起こすことから、悪玉コレステロールとも呼ばれています。
しかし、LDLコレステロールがまったくないのも問題です。コレステロールは細胞膜を構成する成分であり、性ホルモンや副腎皮質ホルモンの生成に関与しています。
LDLコレステロールが正常範囲を超えて高くなると、動脈硬化を進行させる原因となります。動脈硬化とは、血管の弾力性が低下して詰まりやすくなった状態のことです。
血管の弾力性は加齢とともに低下していきますが、LDLコレステロールが高い方ではより大きなダメージを受けやすくなっています。動脈硬化が進むと、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの病気につながることがあるため注意が必要です。
市販薬には、医療機関で処方されているのと同じ成分が配合されている商品はありません。ただし、「血清高コレステロールの改善」という効能効果をもつ市販薬はいくつか存在します。
高コレステロールを改善する市販薬です。パンテチンが肝臓でのコレステロール代謝を改善してLDLコレステロールの分解を促します。HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増加させる効果もあることも特徴です。
また、大豆油不けん化物が余分なコレステロールの吸収を抑制して排泄を促します。酢酸d-α-トコフェロールは、血流を良くすることで末梢血行障害を緩和する成分です。
有効成分 | パンテチン 大豆油不けん化物 酢酸d-α-トコフェロール |
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効能効果 | 血清高コレステロールの改善、血清高コレステロールに伴う末梢血行障害(手足の冷え・しびれ)の緩和 |
用法用量 | 15歳以上:1回2カプセル、1日3回 |
主成分としてポリエンホスファチジルコリンを含む血清高コレステロールの改善薬です。肝臓の働きを守って代謝を促進し、肝臓にある脂肪分を減少させます。また、HDLコレステロールを増やす働きもあります。
有効成分 | ポリエンホスファチジルコリン |
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効能効果 | 血清高コレステロールの改善 |
用法用量 | 15歳以上:1回2カプセル、1日3回 |
パンテチンの働きによって血中の総コレステロールを下げる薬です。大豆油不けん化物には、コレステロールの吸収を阻害して体の外に排泄する働きもあります。
このほか、血管にダメージを与える過酸化脂質の増加を抑える酢酸d-α-トコフェロール、血管を丈夫にするルチン、血管を正常に保つピリドキシン塩酸塩が配合されていることも特徴です。
有効成分 | パンテチン 大豆油不けん化物 酢酸d-α-トコフェロール ルチン ピリドキシン塩酸塩 |
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効能効果 | 血清高コレステロールの改善、血清高コレステロールにともなう末梢血行障害(手足の冷え・しびれ)の緩和 |
用法用量 | 15歳以上:1回2カプセル、1日3回 |
コレステロールの代謝を助けるパンテチン、小腸でコレステロールが吸収されるのを阻害する大豆油不けん化物、抗酸化作用によって過酸化脂質の生成を抑制して末梢血管障害を改善する酢酸d‐α-トコフェロールが配合された薬です。
有効成分 | パンテチン 大豆油不けん化物 酢酸d‐α-トコフェロール |
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効能効果 | 血清高コレステロールの改善、血清高コレステロールに伴う末梢血行障害(手足の冷え・しびれ)の緩和 |
用法用量 | 15歳以上:1回2カプセル、1日3回 |
高コレステロール血症の改善と、動脈硬化症の予防に効果がある薬です。トコフェロール酢酸エステルとジパルミチン酸ピリドキシン、カルバゾクロムの働きによって末梢循環を改善して血管を強化します。
有効成分 | トコフェロール酢酸エステル ジパルミチン酸ピリドキシン カルバゾクロム 混合植物油 |
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効能効果 | 動脈硬化症の予防、高コレステロール血症の改善 |
用法用量 | 15歳以上:1回2カプセル、1日3回 |
処方薬として使われているLDLコレステロールを下げる薬には、主に6種類あります。
コレステロールの合成に必要なHMG-CoA還元酵素を阻害する薬です。LDLコレステロールを低下させ、動脈硬化などを予防します。
小腸コレステロールトランスポーターを阻害することで、食事や胆汁由来のコレステロールが血中に移動しないようにする薬です。スタチン系製剤の合剤が処方されることもあります。
体外へのコレステロール排出を促進する薬です。陰イオン交換樹脂が胆汁酸と結合し、胆汁酸を排出します。胆汁酸の排出が促進されると肝臓にあるコレステロールが減り、それを補うために血液中のコレステロールが肝臓に取り込まれて血中コレステロールを減少させることができるのです。
LDLコレステロールの排泄を促し、中性脂肪の分解も同時に促進する薬です。また、HDLコレステロールを増やす働きもあります。
胆汁中へのコレステロールの排泄を促進することで、LDLコレステロールを減らす薬です。LDLコレステロールだけでなくHDLコレステロールも減少させてしまうことがデメリットとして知られています。
家族性高コレステロール血症の治療薬です。LDL受容体分解促進タンパク質であるPCSK9がLDL受容体に結合するのを阻害し、LDLコレステロールを減少させます。
LDLコレステロールは、生活習慣の改善によって値を下げることができます。
LDLコレステロールが高い方は、食生活の見直しを行うことが大切です。まず、野菜や海藻を意識して摂取しましょう。野菜や海藻に多く含まれている食物繊維には、コレステロールを体外へ排出する働きがあります。魚類を摂るのもおすすめです。魚にはEPAやDHAが豊富に含まれており、これらがコレステロールを減らしてくれます。
LDLコレステロールは、運動によって減らすこともできます。1日合計30分以上の運動をできるだけ毎日続けましょう。少なくとも週に3日は運動を行うようにします。激しい運動を行う必要はありません。ウォーキングや水泳、サイクリングなどの軽い有酸素運動がおすすめです。
LDLコレステロールを指摘された場合、市販薬を使って治療しようとするのはあまりおすすめできません。市販薬だとその人に合った治療を行うことが難しいためです。
LDLコレステロールが気になる場合は、早めに内科を受診しましょう。LDLコレステロールの値や体質、その他の数値などを総合的に判断してもらうことで、適切な治療を行えます。
LDLコレステロールの値を指摘された場合は、内科を受診して治療を受けることが基本です。どうしても受診する時間が取れない場合は、一時的に市販薬を使用しても構いません。
薬を使った治療と合わせて、食生活や運動習慣の見直しも行いましょう。LDLコレステロールが高い状態が続くと、動脈硬化を引き起こすリスクが高くなります。値が高いと指摘された場合は、早めに対策を始めることが大切です。
薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。
「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」
こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。
市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。
そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。
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