こんにちは、加賀谷です。3月末にギャンブル依存症がクローズアップされました。
某有名野球選手の通訳Mさんの件ですので皆さんもご存じでしょう。私が驚いたのはMさんの行動について「依存症」という病気に注目した報道がわりと多くみられたことです。
ギャンブル依存症には次のような特徴があります。
借金苦からうつ状態を併発して自殺企図に至る例もあると言われます。借金問題には弁護士や司法書士といった医療福祉以外の専門職の支援も必要になります。
日本で行われているギャンブルには以下のようなものがあります。
保険や株や投機にもギャンブル的要素がありますし、ビンゴゲームやジャンケンもギャンブル的要素を持つ遊びと言えるでしょう。最近は、公営ギャンブルをネットで賭けることができるようになり、仕事の合間の数分にスマホで賭けて負けるという人も多くいます。
ギャンブル依存症は男性に多く、年代では30歳代や40歳代が多く受診することが知られています1,2)。治療としては、ワークブックを用いた認知行動療法が有効とされています。認知行動療法では、不合理な思考を合理的な思考に置き換えることに焦点を当て、ギャンブルへの衝動をコントロールする、経済的な問題を整理する、再発を防ぐ、人生を再建する、家族関係を修復するといった行動の変容を目標とします。
また、家族も本人同様に混乱していることが多いです。ここでは、家族の対応法について少し説明します。CRAFT(community reinforcement and family training)というプログラムがありますが、これは、家族が本人と対立することなく治療を勧める方法です。本人を取り巻く環境を変えて本人が治療に向かいやすい環境づくりをすることです。大きなポイントは家族がコミュニケーションを変えることと言えるでしょう。ついつい本人を叱責したくなる家族の気持ちもわかりますが、家族が叱責すれば本人も攻撃的な返事しかできません。そこで、
ということを心がけて会話します。詳しいことは、「アルコール・薬物・ギャンブルで悩む家族のための7つの対処法CRAFT」3)に書かれていますので、是非とも参考にしてください。
広島県では、2024年3月に広島県依存症対策推進計画4)を策定しました。私もこの計画策定に少し関わらせていただきました。この計画では、アルコール依存症とギャンブル依存症に対する現状を把握し、今後のギャンブル依存症の治療や支援をどうするかについての計画が記載されています。広島県でもギャンブル依存症を治療してくれる医療機関が少しずつ増えるといいなと思います。
よこがわ駅前クリニックは2003年7月7日に開業して以来、地域の皆さまの安心、安全を目標にして、真心を持って地域の医療・保健・福祉サービスのお手伝いができるように、こころと身体の両方の相談や治療を実践して参りました。
2024年4月1日より下原篤司先生の跡を継いで加賀谷有行がクリニック院長に就任しました。世の中は先行き不透明な時代になり、児童から高齢者まで各世代で悩みや生きづらさを抱える人が多くなっています。
今後は心療内科・精神科を中心として内科的にも地域の皆さまの早期治療や健康増進に寄与できるよう尽力する所存ですので、よろしくお願いいたします。
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