新型コロナウイルスで自宅療養している場合、発熱や喉の痛みに対して市販の解熱鎮痛薬を使用できます。
しかし、解熱鎮痛薬には多くの種類があるため、どれを選んだらよいのか迷ってしまう方が多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、新型コロナウイルスに感染したときに使用できる解熱鎮痛薬の選び方を紹介します。解熱鎮痛薬の成分ごとに人気の商品も紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。
新型コロナウイルスに感染した方の年齢によって、使用できる解熱鎮痛薬の種類が異なります。必ず、使用可能な年齢を確認してから服用しましょう。
15歳未満の子どもが使うときは、アセトアミノフェンが選択肢となります。アセトアミノフェンは小さな子どもからでも使える解熱鎮痛薬です。数ある解熱鎮痛薬の成分のなかでも、胃への負担が少ないことが特徴です。
ただし、商品によって服用できる年齢が違うので注意しましょう。また、一部の商品はアセトアミノフェンが主成分であっても15歳以上からしか服用できないものもあります。
15歳以上の方が使う場合は、イブプロフェンやロキソプロフェンを選ぶとよいでしょう。アセトアミノフェンよりも解熱鎮痛効果が高いため、症状がつらいときにも向いています。
個人差はありますが、イブプロフェンよりもロキソプロフェンのほうが高い効果を発揮することが一般的です。
アセトアミノフェンは、胃への負担が少なく小さな子どもからでも使いやすい成分です。子どもでも服用しやすいよう、水なしで使えるタイプの商品も販売されています。
タイレノールAは、1回分あたり300mgのアセトアミノフェンが含まれている解熱鎮痛薬です。空腹時でも服用できますが、風邪による悪寒や発熱時はできるだけ食後に服用してください。アセトアミノフェンが主成分ではあるものの、15歳以上からしか服用できないので注意しましょう。
成分量(1錠あたり) | アセトアミノフェン:300mg |
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用法用量 | 15歳以上:1回1錠を1日3回まで。 |
効能効果 | 頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・耳痛・関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛・肩こり痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛 悪寒・発熱時の解熱 |
パッケージには「腰痛神経痛に」との記載がありますが、通常の解熱鎮痛薬と同様に発熱や喉の痛みにも使用できます。水に触れるとすぐに溶け出すため、錠剤を飲み込むのが苦手な方でも服用しやすいでしょう。こちらも15歳以上からしか服用できません。
成分量(1錠あたり) | アセトアミノフェン:300mg |
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用法用量 | 15歳以上:1回1錠を1日3回まで。 |
効能効果 | 腰痛・神経痛・関節痛・肩こり痛・筋肉痛・頭痛・ねんざ痛・外傷痛・打撲痛・骨折痛・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・耳痛・月経痛(生理痛)の鎮痛 悪寒・発熱時の解熱 |
3歳以上から服用できるアセトアミノフェンが主成分の解熱鎮痛薬です。ラムネのように噛んで服用できるため、小さな子どもでも無理なく服用しやすいでしょう。飲む方の年齢に合わせて服用する錠数を調節してください。
成分量(1錠あたり) | アセトアミノフェン:50mg |
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用法用量 | 11歳以上15歳未満:1回4錠を1日3回まで。 7歳以上11歳未満:1回3錠を1日3回まで。 3歳以上7歳未満:1回2錠を1日3回まで。 |
効能効果 | 悪寒・発熱時の解熱 歯痛・抜歯後の疼痛・頭痛・打撲痛・咽喉痛・耳痛・関節痛・神経痛・腰痛・ 筋肉痛・肩こり痛・骨折痛・ねんざ痛・月経痛(生理痛)・外傷痛の鎮痛 |
イブプロフェンは、15歳以上から服用できる成分です。アセトアミノフェンよりも効果が高いため、症状がつらい方に向いています。
1錠あたり200mgと、最大量のイブプロフェンが配合された解熱鎮痛薬です。15歳以上から服用できます。1日2回までの服用が基本となりますが、症状が再度あらわれた場合は服用間隔を4時間以上空ければ3回目を服用しても問題ありません。
成分量(1錠あたり) | イブプロフェン:200mg |
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用法用量 | 15歳以上:1回1錠を1日2回まで。(最大3回) |
効能効果 | 頭痛・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・耳痛・関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛・肩こり痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・月経痛(生理痛)・外傷痛の鎮痛 悪寒・発熱時の解熱 |
2錠(1回分)あたり150mgのイブプロフェンが配合された解熱鎮痛薬です。鎮静成分などの眠くなる成分を含んでいません。小粒タイプなので大きな錠剤が苦手な方でも服用しやすいでしょう。
成分量(2錠あたり) | イブプロフェン:150mg |
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用法用量 | 15歳以上:1回2錠を1日3回まで。 |
効能効果 | 月経痛(生理痛)・頭痛・歯痛・咽喉痛・関節痛・筋肉痛・神経痛・腰痛・肩こり痛・抜歯後の疼痛・打撲痛・耳痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛 悪寒・発熱時の解熱 |
主成分となるイブプロフェンのほかに、解熱鎮痛効果を高めるアリルイソプロピルアセチル尿素と無水カフェインも配合されています。アリルイソプロピルアセチル尿素は鎮静成分であるため、人によっては眠気を感じることがあるでしょう。
成分量(2錠あたり) | イブプロフェン:150mg アリルイソプロピルアセチル尿素:60mg 無水カフェイン:80mg |
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用法用量 | 15歳以上:1回2錠を1日3回まで。 |
効能効果 | 生理痛・頭痛・腰痛・歯痛・咽喉痛・関節痛・筋肉痛・神経痛・肩こり痛・抜歯後の疼痛・打撲痛・耳痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛 悪寒・発熱時の解熱 |
ロキソプロフェンは、市販の解熱鎮痛薬のなかではもっとも効果が高いといわれている成分です。イブプロフェンと同様に、15歳以上から服用できます。第1類医薬品に分類されているため、薬剤師から説明を受けないと購入できません。
ロキソプロフェンが主成分の解熱鎮痛薬です。基本は1日2回までの服用となりますが、症状が再度あらわれた場合は最大3回まで服用できます。続けて服用する場合は、服用間隔を4時間以上空けてください。
成分量(1錠あたり) | ロキソプロフェンナトリウム水和物:68.1mg(無水物として60mg) |
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用法用量 | 15歳以上:1回1錠、1日2回まで。(最大3回) |
効能効果 | 頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛 悪寒・発熱時の解熱 |
1回1錠1を1日2回まで服用できます。症状が再度あらわれた場合は、最大3回まで服用しても問題ありません。ただし、4時間以上の間隔を空けて服用してください。
成分量(1錠あたり) | ロキソプロフェンナトリウム水和物:68.1mg(無水物として60mg) |
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用法用量 | 15歳以上:1回1錠、1日2回まで。(最大3回) |
効能効果 | 頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛 悪寒・発熱時の解熱 |
主成分のロキソプロフェンのほか、胃粘膜を保護する働きがある乾燥アルミニウムゲルが配合されています。ロキソプロフェンよりも先に乾燥アルミニウムゲルが溶けるように作られているので、胃への負担を最小限に抑えることが可能です。
成分量(1錠あたり) | ロキソプロフェンナトリウム水和物:68.1mg(無水物として60mg) 乾燥アルミニウムゲル:120mg |
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用法用量 | 15歳以上:1回1錠、1日2回まで。(最大3回) |
効能効果 | 頭痛・腰痛・関節痛・月経痛(生理痛)・肩こり痛・神経痛・筋肉痛・骨折痛・ねんざ痛・打撲痛・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・耳痛・外傷痛の鎮痛 悪寒・発熱時の解熱 |
症状がつらい場合は、無理に市販薬を使わず医療機関を受診しましょう。医療機関を受診すべきか判断が難しい場合は、かかりつけ医に症状を伝えて指示に従うようにしてください。
医療機関では抗ウイルス薬を処方してもらえることがあるので、解熱鎮痛薬だけでやり過ごすよりも体が楽になる可能性があります。
最後に、新型コロナウイルスに関してよく聞かれる質問にお答えします。
発症日を0日目として、5日間は外出を控えるようにしてください。発症後5日間は他人に感染させるリスクが高いとされています。
自宅療養の場合は、脱水症状を起こさないように気をつけましょう。水分の摂取が難しい場合は、かかりつけ医に相談してください。また、症状が悪化しないよう自身の体調をしっかりと観察しておくことも大切です。
感染したからといって、必ず受診しなければならないわけではありません。しかし、息苦しさや強い倦怠感などがある場合は受診をおすすめします。重症化リスクがある方や症状が4日間以上続いている場合も医師に相談しましょう。
新型コロナウイルスに感染した場合、発熱や喉の痛みに対して市販の解熱鎮痛薬が使用できます。15歳未満の方、胃の負担が少ないものが良い方はアセトアミノフェン、15歳以上の方や効果が高いものが良い方はイブプロフェンやロキソプロフェンを選ぶとよいでしょう。
自宅療養するか受診するか迷ってしまう場合は、かかりつけ医に相談してみてください。重症化リスクがある方や重い症状が出ている方は、事前に医療機関に連絡したうえで受診するようにしましょう。
薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。
「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」
こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。
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