もうすぐ夏休み。小学校や中学校から保護者へ学期ごとの成績・評価を伝える通知表(あゆみ)は、最近では見た目も内容も、ママやパパが子どもの頃とは少しずつ変わってきています。評価の見方やポイント、今後への生かし方などを解説します。
かつての通知表は、厚手の2つ折りの紙に、担任の先生が手書きで成績を記入し、隅には所見やコメントが書かれている形式がほとんどでした。
保護者がひとこと返信を書いてハンコを押し始業式に提出する……という流れは今もあまり変わっていないかもしれませんが、通知表自体はかなり見た目が変わってきています。
今回は、小中学校のお子さんがいるママ・パパにアンケートを取り、お子さんの学校の通知表はどのような形式か教えてもらいました。
すると、もっとも多かったのは「学期ごとに通知表を1枚印刷し、ファイルに入れて持ち帰る」という形で、全体の約2/3がこの形になっていました。
数十人分の通知表を手書きするのと比べて作業時間が短縮され、先生が子供たちと向き合う時間が増えたり、学期末までのがんばりが反映されやすくなるというメリットが生まれました。
一方で、従来のような折り目のついた厚手の用紙へプリンターで追記していくのはほぼ不可能なため、一般的なコピー用紙を使い、学期ごとに新しく印刷するようになりました。
そうなると他のプリントと見分けがつきにくく、紛失や破れなどが心配ですよね。
そのため、1年分をきちんと保管できるよう透明ポケットつきのファイルに保管し、新学期に学校へ提出、年度末はそのまま家庭で保管……という形を取る学校が増えているようです。
今回は4%と少ない割合でしたが、完全に通知表もオンライン化している学校もあります。ペーパーレスの一環として、今後さらに増えていくかもしれませんね。
小学校の通知表は、公立・私立や地域によって多少異なりますが、おもに「◎/○/△」あるいは「A/B/C」など3段階で評価されます。中学校は1~5の5段階評価が多いですね。
どうやってこの評価を決めるのかについて、2020年の新学習指導要領に伴って若干変更がありました。
細かい点は教科によって異なりますが、たとえば「興味・関心」は授業内容をよく聞き、手を挙げて発言する、しっかりノートを取る、提出物を出すといった態度がみられるかどうか、「知識」はおもにテストの点数、「技能」は体育や家庭科などの実技についての評価基準です。
そして新しい方には「表現力」「主体的」「人間性」などが増えています。
「主体的に学習に取り組む態度」なんて、どうやって評価するの?と思うかもしれませんが、たとえば「理科でジャガイモのデンプンを調べる実験をした後、自宅でもいろいろな食材にデンプンが含まれているかどうか調べ、夏休みの研究として仕上げた」など、言われたことをやるだけではなく、工夫したり、失敗した時は理由を考えて改善したり…という姿勢が評価されるといわれています。
2024年現在は、基準が変わって間もないため「評価の見方について」といった案内文が添えられている学校も多くあります。
きょうだいのいるご家庭で「なんか上の子と違う気がする…」と感じたら、この説明を読んでみると納得できるかもしれません。
また、実は定期テストの問題用紙や解答用紙をよく見ると「知識・技能」「思・判・表」のように、どの技能を評価するためなのか小さく書かれているのをご存知でしたか?
テストが返ってきたら、点数を見るだけでなく、親子で「思考・判断の問題はたくさん正解できているね!」「通知表どうなっているか楽しみだね」などと話し合ってみるのも良いですね。
私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。
娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。
親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。
しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。
まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。
より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。
現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。
かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。
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