毎日の暑さには閉口します。一歩外に出るとオーブンの中に放り込まれたように暑くて、そういえば去年は「フライパンの中に放り込まれたみたいですね」と挨拶を交わしたのを思い出しました。
高齢者の集まりでも、「3食きちんと食べてください」と話をすると、「暑いから火を使いたくない」とか「暑いから食欲がない」と言う返事が多く聞かれます。今回はなるべく火を使う回数を減らし、簡単においしい料理を作ってみたいと思います。暑さを吹き飛ばすためにも、しっかり食事をしましょう!
(材料は特記がない限り2人分です)
(使用しているめんつゆは2倍濃縮のものです)
月曜日は、この暑さではみんなグッタリです。料理をするのもしんどいですから、簡単にできる料理を!
電子レンジで加熱した、鶏肉のささ身や胸肉を包むのも美味しいです。また、調味料は、簡単に済ませるなら、焼き肉のたれを使えばもっと簡単に用意できます。自分で、包みながら食べるのも楽しいです。手巻きずしの要領で、米飯を用意して一緒にくるんで食べても良いかもしれませんね。
冷蔵庫に何かしらの野菜の切れ端が溜まってきたら炒め煮にして、トマト味やカレー味にするとまとまります。
粉チーズを加えることで、電子レンジでもコクのある味になります。電子レンジの加熱時間は材料の量に応じて加減してください。トマトケチャップはトマトピューレに玉ねぎや香辛料、酢、調味料などが加わって味付けされたものです。戦後アメリカから入ってきて、一般的に使われるようになったのは少し時間がかかったように思います。
みょうが(茗荷)は子供の頃、庭の隅に植わっていて大人がおいしそうに食べているので「食べたい」と言ったら、「馬鹿になるから食べてはいけない」と言われました。
調味料をあらかじめ、分量を考えながら合わせておくものを合わせ調味料と呼びます。酢の物や炒め物など味を見ながらちょこちょこ足していたのでは、味が分からなくなったり、火が通りすぎてしまうので予め合わせて、味を調えておきます。
冷凍の食材をいろいろ買っておくといざという時に炒めたり、煮込んだりできて便利です。たんぱく質と食物繊維を上手に組み合わせましょう。
冷凍シーフードの解凍は、流水で表面の氷が無くなるくらいまで洗って使いましょう。しっかり洗わないと、塩辛かったり雑味の残るものがあります。電子レンジで解凍すると、イカが爆発したり、他のものも身が縮んで小さくなってしまいます。
大豆製品の需要が多くなったのか、最近蒸し大豆を売っているお店が増えてきました。1袋100g位で、百数十円ですので、2、3袋買っておくといろいろに使えて便利です。
材料は作りやすい分量としています。
大豆は動物性たんぱく質に近いアミノ酸組成をもつため、畑の肉と言われています。成分として注目されているのはイソフラボンで、大豆のイソフラボンは女性ホルモンとよく似ているため、女性の更年期や骨粗しょう症の予防に効果が認められています。
にんじんに含まれるβ-カロテンは抗酸化作用により免疫力を高める働きがあり、カルシウムや食物繊維も取れます。りんごやじゃがいもと一緒にすると苦みが出やすいので、ラップをして冷蔵庫の野菜室に保管するのが一番良いようです。
中国から渡来し、たくさん栽培されていましたが、1960年代にメロンと交配されたプリンスメロンが作られてからは衰退してしまいました。懐かしくて朝市で買いましたが、昔と同じ優しい甘さです。
鰻が年々高級品となり、値段には驚きます。病院給食に携わっていた頃、丑の日に献立に取り入れたメニューです。価格もさることながら、一切れで80kcalもあり、とても鰻をメインにはできませんでした。
うなぎは江戸時代に、商売がうまくいかないうなぎ屋に相談された平賀源内が『丑の日にうのつくものを食べると夏負けしない』と書いて店先に貼るように勧めたとか。うなぎに限っては、ビタミンA・B・D・Eが含まれ、特にビタミンB群が豊富なため、夏バテ防止や食欲増進には効果がありそうです。
オクラの花は黄色くて、とてもきれいです。アオイ科でエチオピア近辺が原産地だとか。日本には江戸時代末期に伝わっていたようですが、本格的に普及したのは1970年代からのようです。
オクラのぬめりは整腸作用や、コレステロールを減らす作用、血糖値の急上昇を防ぐ作用があると言われています。刻んでそのまま食べたり、納豆や長芋などのぬめりのあるものと和えたり、煮物や炒め物などにも使えます。
夏は味噌汁も、具を沢山入れて冷や汁にすると食欲がすすみます。冷や汁は耐熱容器に味噌と野菜や油揚げなどを入れて電子レンジにかけ、そのまま冷ましてすりごまや青じその千切りを加えたら美味しい1品ができあがりです。
みそ汁の美味しい作り方は、味噌をしっかり溶いて、ぐらぐら煮立てない事です。味噌汁は具によって味も変わってきますが、好みでシンプルなのが良い人もあるでしょう。また、豆腐を手の平に載せて切ると、壊れにくいのですがどうも苦手と言う方は、スプーンですくってみそ汁の中へ入れても良いと思います。
若い人にはから揚げは大人気のようですが、どうも市販のから揚げはニンニクが強かったり、辛味が強かったりして食べにくいという方は、あっさり味のから揚げをお勧めします。
魚や野菜などに何もつけずに揚げることを素揚げと言います。から揚げは肉や魚に小麦粉やかたくり粉をまぶして揚げることを言い、てんぷらは小麦粉を卵と水で溶いた衣につけてあげること、フライやカツレツは肉や魚を小麦粉、卵液、パン粉の順につけてあげることを言います。先に油が汚れにくい野菜などを揚げてから、肉や魚を揚げるようにしましょう。
日持ちのする乾物を使った煮物や、根菜類の煮物は少し多めに作っておくと忙しい日の副菜になったり、お弁当のおかずにしたりと便利に使えます。
ごぼうは元々中国から薬用として伝わってきた根を食用にする根菜で、食用にするのは日本だけだとか。4月~6月が新ごぼうが出回る季節ですが、新ごぼうは細くて短く、あまり土臭さもなくみずみずしいのでサッと煮るだけでもおいしく食べられます。
さやいんげんは緑黄色野菜に分類されています。生のものが出回っていますが、付け合わせには高くつくので、私は冷凍のものを常備して、緑の野菜が足りない時に便利に使っています。
すけとうだらの卵を塩漬けにしたものがたらこです。たらこと明太子は同じもので、西日本では明太子と呼ぶようです。これをだし汁と、みりん、酒、唐辛子で作った調味液に漬けたものを辛子明太子と呼びます。
白身魚は胃腸が弱った時のたんぱく源に最適です。病院給食では骨を取ってある切り身を使っていましたが、どうも最近の若い人は魚の骨を敬遠するようです。もしかしたら、魚にたくさんの骨があることを知らない人もいるのではないでしょうか?
切り身は身の方から先に焼きます。白っぽくなって火が通ってきたと思ったら裏返して、両面をこんがり焼くと、マリネ液につけても香ばしくておいしいです。五香粉は『ウーシャンフェン』と読み、中国のほぼ全部の地域で使われるミックススパイスで、シナモン、クローブ、花椒、スターアニス、フェンネルなどが入っています。メーカーによって配合が違うので、香りも違います。なければ八角やオールスパイスを使っても良いでしょう。
かぼちゃは今や年中出回っています。β-カロテンは皮膚や粘膜を丈夫にします。かぼちゃは『カンボジア』から渡来したからこの名がついたとか。
かぼちゃは皮がセルロイドのように硬くて、切りにくい場合があります。ラップをかぶせて、電子レンジで1分ほど加熱すると切りやすくなります。切ったものにはふんわりとラップをかけて、加熱すると良いです。
かぶは冬のものだと思っていたのに、小型から中型のかぶは最近では夏になっても売っているようです。かぶは日本でもっとも古くから利用されている野菜の一つです。
コンソメ顆粒は小さじ2杯が1人分の分量ですが、食塩量が2.5gになります。1日分の食塩量を女性の目標値6.5gだと1食2g程度が目安です。ベーコン1枚の食塩量を考えるとコンソメを半量にしても1人分のスープが1gの塩分を超えてしまいます。できればコショウを効かせて、食塩の使用を抑えてください。
テレビなどで、パスタを茹でずにいきなり調理するやり方を見る事があったので、暑い時期には湯を沸かさない方法をと思い、電子レンジを使ってみました。
熱湯で茹でるのと違って、一度電子レンジの時間を確認しておけば同じパスタを使う時は途中で茹で加減を気にしたり、くっつく心配をすることもいりません。1人分100gのスパゲティは少々多い気がしますので、自分の量を決めておいてください。
パスタには油をたくさん使うので、フライにしたいところですがパン粉をつけて焼きます。
電子レンジは600wで加熱していますが、500wの場合は1分位多めに加熱してください。電子レンジは熱のあたりが真ん中より周囲の方が強いので、ぐるりと皿の周囲に並べてください。
トマトジュースはそのまま飲むだけでなく、調味料としても重宝します。スープやカレー、煮物などにも使ってください。塩の入っていないものを買っておくと使いやすいです。
前回、家庭で料理をする人が少なくなってきていることを実感していると書きましたが、料理をするのは好きではないとか、後片付けをしなくてはいけない等いろいろ作らない理由の中にこの暑さでは『台所で火を使うのはしんどいなぁ』と思いました。幸い私は、近い将来に備えて、台所をリフォームしてIHにしたので暑さがかなり違います。そこで電子レンジで手抜きして、暑さを削減する献立にしてみました。
楽々、簡単は悪いことではないと思います。やはり次回も簡単においしく、後片付けの要らない料理を作ってみようと思います。