暑い夏の後に急に寒くなってきました。暖かいお部屋で本を読みながら、お話に出てくる世界にどっぷり浸かってみるのも冬の楽しみのひとつです。
子供が小さい頃夢中で読み聞かせた『大草原の小さな家』はアメリカ、ウィスコンシン州に1867年に生まれたローラ・インガルス・ワイルダーが子供の頃の思い出を書いた開拓時代の物語です。
また『ムーミン一家の物語』は、フィンランドのトーベ・ヤンソンが1914年に書いた物語です。
『赤毛のアン』のお話は孤児院育ちの赤毛のアンがカナダのプリンスエドワード島へ引き取られてからの物語です。
それらの物語の中から、いくつかを私流にアレンジして作ってみました。
(材料は特記がない限り2人分です)
(使用しているめんつゆは2倍濃縮のものです)
子育て時代にアルミホイルで巻いて度々作りました。食の細い子供のおやつにどうでしょうか?
ソーセージは豚の腸を綺麗にして、腸の薄い膜が破れないように挽肉を詰めて塩漬けにしたり薫製にしたりして保存しました。ローラのお母さんは現代のように高速の挽き肉器がない時に、豚肉を細かく刻んでポークバーガーのようなソーセージを作ったのでした。
収穫祭など、特別な日や人が集まった時に決まってパンプキンパイが作られたようです。私の子供の頃にも、人が集まる時には母が朝早くから起きて、ぼた餅やかしわ餅を作って食べていただきました。
バターを挟んで何度も折りたたんで作る折り込みパイ生地は冷凍でも売っていますが、かぼちゃのパイにはこの練り込み式のパイ生地が合うような気がします。パイ皿にしっかりバターを塗っておかないとパイ型から外しにくくなります。また、かぼちゃの中身はしっかり水分を飛ばしておきましょう。
にんじんは昔と比べると随分癖が無くなってきたように思いますが、物語の中ではにんじんを飴煮やマッシュやシチューにして食べる‥‥とあります。又とても甘いので生でかじったという文章もあります。
実際はもう少し生クリームの多いお料理です。このお話の中では、牛を飼っているせいか、牛乳やバター、生クリームがよく野菜料理に使われています。
ムーミンのお話の中では生クリームのスパゲティですが、グラタンにも生クリームを使うので生クリームをトマトの角切りに変えて赤いスパゲティにしてしまいました。
スパゲティのゆで汁の中に油を入れておくと麺がくっつくのを防げます。又、具の方にベーコンが入るようなら塩気を控えめにしましょう。
小さな妖怪のムーミンが外で遊んでいるとムーミンママが家の中から「みんな、お食事に戻っていらっしゃい!」とじゃが芋のグラタンを作って叫びます。
じゃが芋を厚く切りすぎると火の通りが悪くなります。また水でさらさないで、でんぷんを残したままで使った方がとろみが出ます。
洋梨でなくても、りんご等ちょっと味が薄いなと思ったら、コンポートにするとまた一味違っておいしく食べられます。
りんごは皮の赤色がきれいなので、6つ切りのくしに切り、レモン汁少々を落として皮ごと煮るだけで十分おいしいコンポートができます。急ぐときは電子レンジにかけるだけで、砂糖も使わない優しい味のコンポートができます。
寒くなってくるとしっかり煮込んだ煮物が食べたくなって、私は母の牛筋の煮物を思い出します。
牛筋肉の代わりに牛肉の切り落としを使う場合は、短時間で調理できます。その際は大根を薄切りにして油で炒めてから煮込み、20分ほどで火が通ります。
小松菜は年中手に入り、カルシウムがほうれん草の3倍近く含まれており、βカロテンやビタミンCも豊富です。和え物以外に煮物にも活用できます。
煮物に合わせる副菜の塩分は控えめに調整すると、全体のバランスが良くなります。食事の最後に「ちょうど良い」と感じられる味付けを心掛けましょう。
味噌汁は各家庭でだしの取り方や味付けが異なりますが、味噌を入れた後に煮立てないことで、風味豊かに仕上げることができます。
美味しく仕上げるコツは、味噌を入れた後に煮立てないこと。また、油揚げは熱湯をかけて油抜きしてから使うと風味が良くなります。何度も煮直さず、作りたてを楽しむのがベストです。
手羽元は、焼くことで身がほろほろと外れやすくなり、子供にも食べやすい一品です。トマトソースの味付けはお好みで調整可能です。
オーブンで鶏肉を焼く間にソースを作ることで効率よく調理できます。物語ではトマトソースを焼いている鶏にかける方法が描かれていましたが、手羽元を素焼きしてソースに絡めると、後片付けが簡単で仕上がりも美しくなります。
キャベツが高かったので、必要量だけを買ってきました。簡単でヘルシーなサラダです。
キャベツの量やヨーグルトの酸味によって味が変わりますので、好みに合わせて調整してください。酸っぱいのが苦手な人は、ヨーグルトとマヨネーズを半々にしても良いでしょう。
残り野菜を使って、手軽にクリーミーなスープが楽しめます。
物語の中では、スープの半量をミキサーにかけてピューレ状にし、鍋に戻す方法がありましたが、後片付けの手間を省くため、その工程は省略しました。これでシンプルに美味しいスープが完成します。
まぐろはその名の由来にあるように、身が豊富で栄養満点。照り焼きにすると、魚の美味しさが引き立ちます。
写真の切り身は頭の方の身で骨がついています。魚が苦手な方には、ニンニク風味やショウガ、カレー粉など、従来の調理法とは違う味付けにも挑戦してみてください。
モロッコいんげんを使った煮物は、広い豆の形状が煮込みやすく、さつま揚げと相性抜群です。
和風煮物の場合、基本の味付けはしょうゆとみりんを1:1にするのが一般的です。めんつゆを薄めて使うことで、そのままでも美味しく調整できます。練り製品など塩味のある材料を使う時は、塩分を薄めに調整しましょう。
きのこはシンプルに焼くだけで、野趣のある味わいが楽しめます。大根おろしと調味料を合わせて、さっぱりとした一品に仕上げます。
「みぞれ和え」は大根の白が空から降るみぞれに似ていることから名付けられました。魚や牡蠣、野菜など、いろいろな食材で試してみましょう。大根が辛い場合は、酢を加えるとまろやかな味わいに変わります。写真はかつお節を天盛りにしていますが、『天盛り』は見た目もありますが、だれも手を付けていないというしるしにもなります。
寒い季節にぴったりの肉まん。シンプルな具材で、イーストを使わずに作れる手軽なレシピです。
具はシンプルにすることで、皮の小麦粉の味が楽しめます。たけのこやしいたけを加えると豪華になりますが、具を大きくしすぎると包みづらくなるので、少なめにしておくと包みやすくなります。
肉まんにぴったりの、しっかり野菜が入った中華スープです。
ショウガやニンニク、干ししいたけ等を常備しておくと、中華スープがすぐに作れます。乾物類は長期保存ができるので、定期的にチェックして備えておくと便利です。ひじきや切り干し大根、干しわかめなども役立ちます。
さつま芋の甘さと香ばしさがたまらない、簡単でおいしい大学芋のレシピです。
大学芋は大正時代から親しまれているおやつで、神田の学生街で人気だったことからその名がついたと言われています。甘いものが少なかった時代に、さつま芋のおやつは格別だったことでしょう。砂糖を使いすぎると糖質が気になるので、飴状になるほど砂糖を使わず、サッと絡めて早めに食べるのがポイントです。
今回は物語に出てくるお料理を再現してみました。物語の中からレシピの形にするのは思った以上に大変でした。
現代のように加工食品が溢れていて、原材料が何かさえ分からないような時代ではお店が無くなったらどうなるのでしょう。きっと想像する以上に料理ができない人が多いのではないでしょうか。時には素材を加工するところからお料理をしてみるのも楽しいのではないでしょうか?
次回はお正月が近いので、おせち料理にまつわるものや新年に食べたいものを作ってみたいと思います。