女性の生涯を支える診療科として、婦人科・産科の幅広い診療を行うさくらウィメンズクリニック
- まずは医師になろうと思われた経緯をお聞かせください。中学生の時祖父が脳梗塞で倒れ、安佐市民病院に緊急入院となりました。元々病院嫌いであり、お見舞いに行くときも、院内の臭い、独特な雰囲気から、怖いイメージしかありませんでした(笑)。そのうち、主治医の先生や優しい看護師さんたちの働く姿を見ていくうちに、「かっこいい、僕も病院で働くようになりたい」と考えるようになりました。「医者になりたい」と親に話をすると、とてもうれしそうに喜んでくれた顔が今でも印象に残っています。医師になりたいと思った経緯はこんな単純なことです。しかし、医学部に進学した後、まさか産婦人科医になるとは思っていませんでした。臨床実習で初めてお産を見学した際、あまりの生々しさに気持ちが悪くなりました(笑)。もちろん今は全然平気です。産婦人科医が少ないことが産婦人科を志望した一番の理由であり、これまで約23年間産婦人科診療に携わってきましたが、産婦人科は本当にやりがいがあり、産婦人科医になって本当に良かった…と今感じています。
- 開業にこの街を選んだ理由は何でしょうか?開業支援をいただいたコンサルタントの方の提案が第一ですが、以前より開業医の先生方のお話の中で「五日市」という話はよく耳にしていました。実際のところ、五日市は若い人口が増加しており、また人口あたりの産婦人科が少ない地域ということ、そして五日市在住の多くの患者さんが広島市内で産婦人科診療を受けているということから、ニーズの高い地域であることがわかりました。五日市駅はJR、広電双方の駅が一体化しており利便性が良いこと、またクリニックビルのある北口は整備され美しい街並みであることもいいなと感じました。開業前の勤務先が隣町の廿日市であったことも後押しとなりました。実際に開業してみて、近隣の先生方、住民の方々とお話しする中で、同地区での「婦人科」クリニックの必要性を痛感しております。
- 先生が診療の際に心がけていることは何ですか?自分が理想とする医師像は、最適な医療を提供することはもちろんのことですが、医者らしい医師よりも人間らしい医師です。医師だから決して偉いわけではありません。患者さんに比べ医療に関する知識が多く、治療することが許されているだけで、患者さんと同じ一人の人間です。上から目線ではなく、同じ目線でお話しすることを心がけています。患者さんの訴えをゆっくりと拝聴、病状にあわせてしっかりとした情報提供を行い、納得して頂くことが重要です。 ベストと考える治療がその患者さんにとって本当にベストの治療かどうかは分かりません。治療に関してはよく相談して決めることを心がけています。
“読者の皆様へメッセージ”
- 産婦人科は受診しにくさのある診療科であることは間違いないと思います。どんな些細なことでも結構ですので、気になることがあれば遠慮なくご相談ください。何でも相談できる環境を提供し、最適な治療、適切なアドバイスを心がけます。特に不正出血や月経不順といった自覚症状があればその時点で、また自覚症状がなくても1-2年に1回の子宮頸がん検診は必ず受けるようにしましょう。若年者では命のみならず子宮を守ることにもつながります。