頻尿

頻尿は1日8~10回以上の排尿回数の事を言います。特に就寝時に2回以上の排尿のために起きなければならない症状を夜間頻尿と言います。健康な人の場合は1日に1.5L前後の尿を排出し、排尿回数は1日4~7回程度です。さらに、このうち就寝時の排尿は0〜1回です。

しかし、生活習慣によってその回数は変化し、飲水量の多さや緊張等によって増えることも少なくありません。そのため、一日に8回以上排尿があれば、全員が頻尿に当てはまるというわけではありません。

頻尿の原因

頻尿が起こる原因は、水分の飲み過ぎ、何らかの病気、薬剤の副作用が考えられます。
水分を必要以上に飲み過ぎると、不要な水分を排出するために頻尿になります。健康な人の排尿量は1.5L前後であるのに対し、水分摂取が多い方の場合には1日に3L以上の排尿量となる事があります。1日の尿量が40ml/kg(体重)を超える場合を多尿といいます。

また、女性の場合は過活動膀胱や妊娠により、男性の場合は前立腺肥大症により頻尿が起こることがあります。過活動膀胱になると、膀胱に溜めることのできる尿の量が減り、その分排出数が増えます。前立腺肥大症になると、前立腺の肥大化により尿道が狭くなり、残尿が発生します。また、膀胱炎や尿道炎等、尿の排出に関わる機能が炎症を起こすことで発症することもあります。

頻尿の症状

昼夜問わず排尿回数が増えるのが主な症状です。健康な人の排尿回数は1日4〜7回にであるのに対し、頻尿になると1日8〜10回程度排尿するようになります。
また、突然我慢できないほどの尿意を頻繁に感じることも、頻尿の症状として起こることが多いです。

頻尿の治療と予防

頻尿の治療

頻尿は、原因となっている病気や炎症を治療するために、原因により薬物療法や行動療法を行います。過活動膀胱が原因の場合には抗コリン薬、β3作動薬を使用します。前立腺肥大症では、α1遮断薬、PDE5阻害薬、5α還元酵素阻害薬を使用して改善を図ります。
また、水分の過剰摂取が原因となっている場合には、水分摂取の調整の指導等を行います。

頻尿の予防

頻尿を発症する原因は様々です。そのため原因となる病気を予防することが、頻尿の予防に繋がります。女性の場合は、膀胱炎から発症することが多いため、水分をこまめに摂ったり、体の抵抗力をつけたりすることで予防できます。
男性は前立腺肥大症から発症することが多いため、加齢だけではなく生活習慣が影響します。栄養バランスの良い食事や十分な睡眠時間の確保等、規則正しい生活を送るようにしましょう。
また、男女ともに尿意を感じたら、我慢せず排尿し膀胱に尿を溜めすぎないようにすることも予防に繋がります。

この記事の監修

いとう腎・泌尿器科クリニック 院長伊藤 誠一

平成7年に鳥取大学を卒業、平成11年から呉共済病院へ赴任し17年間勤務しました。高齢化が進む呉地区で長らく勤務した経験を生かして地域の皆さんと長いお付き合いがしたいと思いこの度呉市中通2丁目にクリニックを開院しました。リオオリンピック開催や25年ぶりの広島カープ優勝の記憶に残る年に開院できた事をうれしく思っています。

受診される皆様それぞれにクリニックに求める物が違うと思いますので、皆様の話をしっかり聞いた上で総合病院や専門病院とも密に連携を取りながら、それぞれのニーズに応じた幅広い診療を地道に続けていきたいと思っています。そのために私をはじめとして職員一同が向上心を持ち日々診療を続けて行く事を大事に思っています。

【経歴・資格・所属学会】

[経歴]
平成7年 鳥取大学医学部卒業
平成7年 岡山大学医学部泌尿器科研修医
平成8年 福山市民病院泌尿器科
平成8年 国立病院機構岩国医療センター泌尿器科
平成9年 倉敷成人病センター泌尿器科
平成11年 国家公務員共済組合連合会 呉共済病院泌尿器科
平成28年 いとう腎・泌尿器科クリニック開院

[資格]
日本泌尿器科学会専門医
日本泌尿器科学会指導医
腎移植学会専門医
臨床腎移植学会専門医

[学会]
日本泌尿器科学会
日本移植学会
臨床腎移植学会

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