声帯結節
声帯結節は、声帯の両側にこぶができる病気です。声に関する様々な症状が現れます。
声帯結節の原因
主な原因は声の酷使です。声を出すとき、左右の声帯が動くことで摩擦が起こります。摩擦による刺激が蓄積されることで、粘膜が腫れたり炎症が起きたりして結節が形成されます。
尚、歌手や教師、インストラクターや保育士といった仕事に従事している人は発症し易いです。カラオケや大きな声を出すスポーツを好んでいる人も、発症することがあります。また、日常的に大声を出すことの多い子どもも注意が必要です。
成人女性や男児に多いとされていますが、どの年代でも症状は同じです。
声帯結節の症状
軽度であれば、高い声を出しにくい、声を長く出しにくい、喉に違和感があるといった症状が見られます。他の人から気付かれることは多くありません。
ただし、声が枯れたり声色が変わったりする可能性もあります。声を使った仕事に従事している人の場合、大きな影響が出るでしょう。
尚、症状の程度は一日や一週間の中で変動する傾向にあります。あまり話さずに過ごした日には、症状が軽くなる人もいます。
声帯結節の予防と治療
声帯結節の予防
声帯結節の予防には、声を酷使しないことが重要です。しかし、歌手や教師等の職業の場合、日常的に大きな声を出さなければなりません。発症のリスクが高いため、私生活では喉を労りながら過ごすことをおすすめします。
何らかの違和感を覚えたら、早めに病院で相談することも大切です。声の枯れや喉の痛みは風邪との区別が難しく、自分では中々判断できません。日頃から大きな声を出している人は、特に注意しながら過ごして下さい。
また、誤った発声方法は声帯結節の発症リスクを高めます。必要に応じて、言語聴覚士等の専門家から正しい発声方法を学びましょう。再発防止にも繋がります。
声帯結節の治療
基本的には、声を出す頻度を減らして喉を休める必要があります。症状がそれほど重くなければ、発声を控えることで改善し易いでしょう。
必要に応じて、ステロイド薬や消炎剤が処方されることもあります。
ただし、炎症や腫れ、痛みの程度がひどい場合は手術が必要です。手術は全身麻酔で行うことが基本で、喉頭直達鏡というカメラを口から入れて結節を切除します。
基本的に数日間の入院が必要です。
また、手術後は一週間程度声の安静が必要です。
その後も、叫び声や歌唱を避けて安静にすることが大切です。

うした耳鼻咽喉科クリニック 院長片桐 佳明
【経歴・資格・所属学会】
平成18年3月
東京医科大学医学部医学科卒業
平成18年4月
県立広島病院
平成25年7月
広島大学医学部附属病院
平成27年6月
JA尾道総合病院
平成30年4月
堀病院
平成30年10月
うした耳鼻咽喉科クリニック開院
※資格
医学博士
日本耳鼻咽喉科学会 専門医
身体障害者福祉法指定医師
日本めまい平衡医学会 めまい相談医
※所属学会
日本耳鼻咽喉科学会
日本めまい平衡医学会