橋本病

橋本病は「慢性甲状腺炎」とも呼ばれ 甲状腺機能が低下する疾患です。
甲状腺機能が低下する疾患は下垂体性甲状腺機能低下症や亜急性甲状腺炎等がありますが、橋本病は最も発症頻度の高い疾患です。

橋本病は、本来自分を守る免疫細胞が、自分自身を攻撃する病気で、自己免疫と言われます。女性の発症率が高く、まれに小児が発症することもあります。

橋本病の原因

リンパ球により作られた自己抗体が継続的に甲状腺を攻撃し、長期間炎症が続くようになり、甲状腺細胞が破壊されて機能が低下し、甲状腺ホルモンの産生と分泌が低下します。

また、遺伝的要因も原因として考えられています。自己免疫性甲状腺疾患を持つ家系の人は甲状腺自己抗体が作られやすく、橋本病やバセドウ病を発症しやすいというデータがあります。
この他、ある種のウイルス感染症、性ホルモン、ヨード等が原因での発症例も確認されています。

橋本病の症状

甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは、全身の代謝を活性化させるホルモンです。そのため甲状腺ホルモンが不足すると、疲れやすさ、体重増加、髪の毛が細く弱くなる、心臓の動きが鈍くなり脈が遅くなる、関節が痛む、便秘、顔がむくんだり、寒がりになります。また、不妊症や認知症の原因になることもあります。

橋本病の治療利用と予防

橋本病の治療

甲状腺ホルモンを補充する治療が主体です。この治療では、レボチロキシンという甲状腺ホルモンを服用して補充します。
治療を続け症状がなくなると、薬を服用しながらこれまで通りの日常生活を送れます。

橋本病の予防

橋本病は根本的な原因がわかっていないため、確実な予防法はありません。

また、甲状腺機能はストレスが影響することもあります。十分な休養を取り、ストレスを溜めすぎないように心がけ、規則正しい生活を送りましょう。

橋本病を発症し、甲状腺機能に影響が見られる場合は、激しい運動は避けてください。激しい運動により重症化し、合併症を引き起こす危険があります。

この記事の監修

みやがわ小児科医院 院長宮河 真一郎

当院は私の父である院長 宮河 定が1966年1月に廿日市市本町に小児科医院を開業し、廿日市で小児の地域医療にたずさわってまいりました。2015年夏より私 宮河真一郎が加わり引き続き廿日市地区、広島西地区において皆様の手助けになりますよう頑張って参りますのでよろしくお願いいたします。

私は廿日市出身(廿日市小学校・中学校卒業)、広島の高校を経て愛媛で医学を学び、広島の地で小児医療に関わって参りました。これまでは大学病院をはじめとしたいわゆる入院設備のある病院で勤務し様々な病気を経験させていただきました。たくさんの患者さん、そしてご家族との出会いがあり、貴重な経験と多くのことを学ばせていただきました。これからはこの経験を生かして、さらに未来を背負った子どもたちとそのご家族のために長く地に足をつけてサポートさせていただけたらと思っております。

【経歴・資格・所属学会】

※経歴

廿日市小学校 廿日市中学校卒業 広島城北高校
平成 3年愛媛大学医学部 卒業
平成 3年広島大学小児科 入局
平成 4年広島赤十字原爆病院 小児科
平成 6年至誠会梅田病院小児科勤務
平成 7年県立広島病院 小児科、新生児科
平成 8年広島大学 勤務 医員、助手、病棟医長
平成18年国立行政法人 独立行政法人呉医療センター小児科 医長、科長
平成27年宮河小児科医院 勤務

[免許]
医師免許 337546号 医学博士
日本小児科学会認定医/専門医
認定小児科指導医
地域総合小児医療認定医

[所属学会]
小児内分泌学会 評議員、日本糖尿病学会、日本マススクリーニング学会、日本新生児成育医学会、周産期新生児学会、日本小児感染免疫学会、日本小児科医会

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