風しん(三日はしか)
風しんは、別名「三日はしか」と呼ばれる急性の感染症です。微熱やリンパの腫れ、発疹の症状が見られ、約三日で症状が治まります。症状としては軽いものですが、妊娠初期に感染すると胎児に先天的な障害を引き起こすこともある、病気です。
風しん(三日はしか)の原因
風しんウイルスに感染することによって引き起こされる、急性の感染症です。発疹の症状が現れ、通常およそ三~五日で消えていく為「三日はしか」と言われています。
風疹の感染力は非常に強く、一人の風しん患者が入ることで、およそ五~七人に感染させるとされています。
日本では2006年に麻しんと風しんワクチンの接種が義務付けられたことにより、子どもの間での発症報告数は減少しています。風しんに免疫のない妊娠初期の女性が感染すると、胎児に感染することにより、様々な合併症(先天性風疹症候群)をきたす子どもが生まれる可能性があります。
第2種学校感染症に該当するため、就学児の子どもが発症した場合は、発疹が消えるまで出席停止となります。
風しん(三日はしか)の症状
風しんウイルスに感染してから、約二~三週間の潜伏期間を経て症状が現れます。
無症状であることも多く(不顕性感染)、症状が出たとしても、主に微熱・耳の後ろのリンパの腫れ・発疹です。
小さくブツブツした発疹は、通常顔から全身へ広がっていきますが、およそ三日間で消えていきます。発疹痕が残ることもありません。重篤な合併症を引き起こすことは非常に稀ですが、成人で発症した場合、高熱や発疹が長く続いたり、関節痛を認めるなど、小児より重症化することがあります。また、肺炎、脳炎や血小板減少性紫斑病を合併するなど、入院加療を要することもあるため、決して軽視はできません。
風しん(三日はしか)の治療と予防
風しんの治療法は、現在のところありません。そのため、感染したことによって現れている症状に対しての対処療法を行います。
肺炎や脳炎等といった重篤な合併症が起こらなければ、問題になることはありません。
しかし、風疹に免疫のない妊娠初期の女性が感染すると、出生児に「先天性風疹症候群」が生じる恐れがあります。「先天性風疹症候群」は、白内障や難聴等先天性の疾患を持って生まれます。妊娠中は風しんワクチン接種を受けることができない為、ワクチン接種を受けてあらかじめ免疫をつけておくことが最も重要です。
風しん(三日はしか)の予防
抗体を持たない又は抗体価の低い妊婦は、風しんが発生している流行地域に、可能な限り不要不急の外出を避け、やむを得ず外出をする際には可能な限り人混みを避けるなど、風しんにかからないように注意してください。また、妊婦の周りにいる人(妊婦の夫、子ども、その他の同居家族等)は、風しんに感染しないように予防に努めて下さい。(風疹ワクチンを接種して下さい。)
また風しんウイルスの感染が疑われる場合は、免疫のない人に移さない為にも、学校や仕事を休み医療機関を受診するといった、感染予防対策の意識を持つことが大切です。
みやがわ小児科医院 院長宮河 真一郎
【経歴・資格・所属学会】
廿日市小学校 廿日市中学校卒業 広島城北高校
平成 3年愛媛大学医学部 卒業
平成 3年広島大学小児科 入局
平成 4年広島赤十字原爆病院 小児科
平成 6年至誠会梅田病院小児科勤務
平成 7年県立広島病院 小児科、新生児科
平成 8年広島大学 勤務 医員、助手、病棟医長
平成18年国立行政法人 独立行政法人呉医療センター小児科 医長、科長
平成27年宮河小児科医院 勤務
[免許]
医師免許 337546号 医学博士
日本小児科学会認定医/専門医
認定小児科指導医
地域総合小児医療認定医
[所属学会]
小児内分泌学会 評議員、日本糖尿病学会、日本マススクリーニング学会、日本新生児成育医学会、周産期新生児学会、日本小児感染免疫学会、日本小児科医会