にきび
にきびはおでこや頬、口周り、顎等の毛穴にできる発疹です。主に思春期から青春期にかけてよく見られることが特徴です。思春期に出来るものをにきびと呼び、大人になってから出来るものを吹き出物と呼ぶこともありますが、双方に明確な区別はありません。どちらも正確には「尋常性ざ瘡」という皮膚の病気の通称になります。
にきびの原因
にきびの原因は主に以下の3つです。
- 毛穴の閉塞
- 皮脂の過剰分泌
- アクネ菌の増殖
そもそも肌は約28日の周期でターンオーバーを繰り返しています。ターンオーバーとは角質が剥がれ落ち、新しい皮膚細胞に生まれ変わることです。このターンオーバーが上手く行かなくなると、毛穴の角質が厚くなり、皮脂が詰まってしまいます。そうすると皮脂を栄養源とするアクネ菌が増殖し、炎症が起こり、結果的にニキビになるという仕組みです。つまり上記のどれか1つが原因となる訳ではなく、相互に悪影響を及ぼし合ってニキビが出来ます。
にきびの症状
にきびにも、軽いものから重いものまであり、その症状はさまざまです。症状の軽いものから順に紹介します。
まず最も軽いと言われるのが白ニキビ(閉鎖面皰)です。白ニキビは皮脂や老廃物が詰まって、盛り上がった状態をさします。特に痛み等はなく、比較的短期間で治るのが特徴です。見た目もあまり目立ちません。
次に軽いものが黒ニキビ(開放面皰)です。名前のとおり先端が黒くなっていることが特徴です。皮膚の表面に出かけている面皰が、酸化することで黒くなります。
次に赤ニキビ(炎症性面皰)です。赤ニキビは白ニキビが悪化し、炎症を起こしたものです。名前のとおり赤く腫れているため、目立ってしまいます。また治るまで時間が掛かります。
次に黄ニキビ(膿疱性面皰)です。ニキビが化膿して、黄色い膿がたまった状態です。治りが非常に遅く、治った後もニキビ跡になってしまうことがあります。
最後に紫ニキビです。炎症が起こると周りの組織が破壊されます。その組織を修復するために新たに血管が増生されますが、これが赤紫に見えている状態です。またニキビの炎症のせいで瘢痕組織が出来、紫色に見えることもあります。
にきびの治療と予防
にきびの治療
軽いにきびは様子見でも構いませんが、繰り返すときや炎症が酷いときは皮膚科を受診して治療をしましょう。にきびは、慢性疾患なので、継続して治療を続けなければ完全には治りません。毛穴の詰まりに効果がある過酸化ベンゾイル製剤や外用レチノイド製剤を毎日塗り続ける治療をします。時間は掛かりますが、にきびが出来にくい肌へ導く治療です。また抗菌薬を用いて、出来たにきびの炎症を鎮める治療もあります。これは一時的に、にきびは治まりますが、完治には繋がりません。皮膚科で専用の器具を使って、毛穴から詰まっている皮脂や角質等を取り除く面皰圧出という治療法もあります。
にきびの予防
にきびを、予防するために出来ることは、生活習慣の見直しです。具体的には以下を心掛けましょう。
- 十分な睡眠を取る
- 栄養の偏りがない食生活
- ストレスを溜めない
まず睡眠は非常に重要です。皮膚の細胞は寝ている間に再生されます。睡眠の質が悪いと、この再生が適切に行われません。日中に太陽光を浴び、夜は電子機器を遠ざける等の工夫をして、良質な睡眠が取れるようにしましょう。
続いて食生活です。特定の食べ物がニキビの原因になることは証明されていませんが、健康な肌を育てるためにも栄養バランスを整える必要があります。またビタミンB2、B6を摂取するとニキビの予防や改善に役立つと考えられています。まずは積極的にビタミンを摂取することから始めてもいいかもしれません。
最後にストレスをためないことです。ストレスは皮膚の免疫力を低下させます。免疫力が下がることで炎症が悪化したり、皮膚の再生力が低下したりします。ストレス発散法を見つけ、上手にストレスと付き合っていきましょう。
古江駅前すみれ皮ふ科 院長東儀 那津子
【経歴・資格・所属学会】
平成18年
北里大学医学部 卒業
平成18年
北里大学病院 初期研修医
平成20年
北里大学病院 皮膚科入局
平成23年
北里大学病院 助教
令和2年
北里大学病院 診療講師
北里大学病院のほか、大和市立病院、昭和大学病院藤が丘病院形成外科、
座間総合病院、武蔵村山病院、神奈川県内の皮膚科・美容皮膚科で勤務
【所属学会】
日本皮膚科学会
皮膚悪性腫瘍学会
日本美容皮膚科学会
日本アレルギー学会
【資格】
医学博士
日本皮膚科学会専門医・指導医
厚生労働省臨床研修指導医
ボトックスビスタ®︎認定医