急性胆管炎

胆管は胆汁という消化液が流れる管で、肝臓から分泌された胆汁を十二指腸に運ぶ役割をしています。急性胆管炎とは、胆管に細菌が繁殖し、感染が起こった状態を指します。

急性胆管炎の原因

急性胆管炎は胆管が細菌に感染した状態で、さらに胆汁がうっ滞してしまい胆管内の圧力が上がることで発症します。炎症が起こる原因の多くは胆石です。胆管周囲の臓器の疾患によって胆管が狭められたことにより胆汁がうっ滞することもあります。炎症性胆管狭窄等の良性疾患や、胆管がん、十二指腸乳頭部がん、膵がん等の悪性疾患です。

急性胆管炎の症状

発熱や黄疸、右上腹部の痛みが典型的な症状です。特に発熱や右上腹部の痛みを訴える患者は80%を超えると言われています。
重症化した場合、敗血症といって血液中で細菌が繁殖してしまい発熱や黄疸、右上腹部の痛み等の症状に加え、意識障害や血圧の低下や震えが起こることもあります。

急性胆管炎の治療と予防

急性胆管炎の治療

急性胆管炎は軽症、中等症、重症に分けられ、それぞれで治療法が異なります。どの重症度であっても入院して食事を中止し、点滴により抗菌薬を投与します。

また全身状態を慎重に管理しながら胆管ドレナージを行うことが治療のポイントです。「胆管ドレナージ」とは、胆管を開放してたまった胆汁を消化管内または体外に出す処置のことです。一般的には内視鏡を用いて行われますが、その他に体表から針を肝臓に刺して行う経皮経肝胆管ドレナージや、きわめてまれですが開腹手術によるドレナージがあります。

抗菌薬やドレナージ治療で急性期を脱したあとで、原因となる結石の除去や腫瘍などの治療を開始することとなります。

急性胆管炎の予防

予防は難しいですが、多くの急性胆管炎の原因となる胆石ができないような食事を心掛けることが予防に繋がります。胆石は、コレステロール等脂肪分の多い食事により作られます。普段から脂肪の摂り過ぎには注意し、栄養バランスの取れた食生活を心掛けることが大切です。牛肉やお酒はコレステロールを多く含む為、過剰摂取には十分に注意してください。

また健診などで総胆管結石が指摘された場合は早めの治療が勧められます。

急性胆管炎では、早期に適切な治療を行わなければ、敗血症から死に至る恐れがあります。上記にご紹介した症状が認められた場合には、早急に医療機関を受診しましょう。

この記事の監修

小田内科 院長忌部 航

当院は昭和26年に創立して以来地元に根差した医院です。大きな病院に行くのは抵抗をお持ちでも「ちょっと小田で診てもらってきんさいや〜」と言われ受診される患者さん、診察時に「あんたのちっちゃい頃よぅ知っとるで」と私の記憶にないことまで話をされる患者さん、私が診察室に座っているとこの医院のもつ歴史、皆様からの期待を感じます。
これまでは東京で消化器内科を専門とし内視鏡検査やエコー検査を中心に診療を行ってきました。その経験を活かし経鼻内視鏡(胃カメラ)やエコーを用いて辛くない検査を行い、患者さんにあった医療の提供を目指しています。また高血圧や糖尿病といった生活習慣病、インフルエンザなどの感染症も適切に診療し皆様に信頼されるかかりつけ医でありたいと思います。

【経歴・資格・所属学会】

※経歴
平成19年3月
金沢大学医学部卒業
平成19年4月
三井記念病院
平成21年4月
国立国際医療研究センター
平成25年4月
福島県立医科大学 会津医療センター
平成27年4月
国立国際医療研究センター
平成31年1月
小田内科勤務
令和元年5月
小田内科院長

※学会・専門医
医学博士
日本内科学会:総合内科専門医
日本消化器病学会:消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会:日本消化器内視鏡学会専門医
日本膵臓学会

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