寝ちがい
寝ちがいとは、睡眠中の不自然な姿勢や無理な体制で寝てしまうことで首や肩等に過度の負担がかかることで、睡眠から醒めた時に首や肩に痛みが生じる症状のことです。
寝ちがいの原因
寝ちがいは睡眠中、身体に負荷のかかる無理な姿勢を取り続けることで首や肩の筋肉や神経が圧迫され、椎間関節や靱帯に炎症が生じることや、睡眠中に血行が悪くなることが原因です。
また、過度なスポーツや長時間パソコンを使用していること等による筋肉の疲労等も原因にあると考えられており、猫背や俯く姿勢が多い、枕の高さが高い、枕や寝具の硬さが合っていない、寝方が悪いなど、首周りの負担が普段から多いことも寝ちがいの原因になります。
寝ちがいはX線やCTなどの画像検査での異常が確認できないことが多く、椎間関節の障害と考えられていますが、頚椎椎間板ヘルニア等が原因で起こることもあります。
痛みが続いたり、頻繁に寝ちがいが起きたりする場合には注意が必要です。
寝ちがいの症状
睡眠の浅い時や寝起きに首を動かした際に首や肩にかけて筋肉痛のような鈍い痛みや、鋭い痛みが生じることが寝ちがいの主な症状です。
特定の方向を向く、傾げる等で痛みが強くなるため、痛みの少ない姿勢から動かせなることもあり、重度の寝ちがいの場合では安静にしていても首が痛んだり、腕や肩が重くなることがあります。
また、明け方に起こり易い、疲労や精神的な影響を受け易いなど、脹脛の筋肉がつる症状と似ている所があります。
しかし、首や肩の痛みだけではなく手が痺れていたり、力が入らなかったりする場合は椎間板ヘルニア等の他の原因がある可能性があるため、必ず医療機関で検査を受けるようにして下さい。
寝ちがい治療と予防
寝ちがいの治療
寝ちがいは、多くの場合には痛みが出る方を向かない、首を傾けない、なるべく動かさない等の対策で症状が落ち着き、特別な治療を行わなくても数時間から数日の内には痛みが治まります。
しかし、痛みが強く、安静にしていても首が痛むような場合には消炎鎮痛剤、筋弛緩剤の内服や痛みのある個所の筋肉に局所麻酔薬を注射する、湿布等の治療が行われることもあります。
寝ちがいの予防
寝ちがいの原因は猫背や寝具、筋肉の疲労等であるため、姿勢を正して体への負担を減らすこと、自分に合った枕や寝具を選ぶことが予防に繋がります。
筋肉が緊張している時は、炎症が起きてしまう前に入浴等で緊張を解してリラックスすることも大切です。
また、普段から肩こりがあると寝ちがいを起こし易いとも言われているため、日頃からラジオ体操程度の運動や軽いスポーツを心掛け、生活習慣にも気を配りましょう。
いずた整形外科クリニック 院長泉田 泰典
【経歴・資格・所属学会】
○平成11年3月
島根医科大学医学部(現島根大学医学部)医学科 卒業
○平成14年4月
広島大学大学院医歯薬学総合研究科 展開医 科学専攻 病態制御医科学講座 入学
○平成17年4月
ペルージャ大学(イタリア)整形外科・外傷外科学 留学(臨床リサーチフェロー)
○平成18年3月
・広島大学大学院医歯薬学総合研究科 展開医 科学専攻 病態制御医科学講座 修了
・学位(医学博士)取得
【専門医認定等】
○日本整形外科学会認定 整形外科専門医
○日本専門医機構認定 整形外科専門医
○日本整形外科学会認定 スポーツ医
○日本整形外科学会認定 運動器リハビリテーション医
○日本整形外科学会認定 リウマチ医
○日本人工関節学会 認定医
【所属学会】
○日本整形外科学会
○日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(JOSKAS)
○日本人工関節学会
○日本骨粗鬆症学会 …等