アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎とは、アレルギー反応による鼻に関する症状を発症する病気のことです。
透明のさらさらの鼻水、鼻づまり、連発するくしゃみの3症状を主な症状とし、空気中のアレルギー物質を吸い込むことで発症します。
また、アレルギー性鼻炎には、季節性のものと通年性のものがあります。
アレルギー性鼻炎の症状
アレルギー性鼻炎の特徴的な症状として、さらさらの鼻水、発作的なくしゃみ、鼻づまりがあります。風邪の場合は症状が10日程度で収まりますが、アレルギー性鼻炎は2週間以上続くことが特徴です。
季節性アレルギー性鼻炎では、鼻の症状の他、目の痒みや充血、皮膚の痒みや湿疹、頭痛等の症状が現れることもあります。
通年性アレルギー性鼻炎では、季節性アレルギー性鼻炎に比べ喘息やアトピー性皮膚炎を合併する可能性が高いことも特徴です。また、鼻づまりにより口呼吸になることで、体内にアレルゲン(アレルギーの原因物質)が一層体に侵入しやすくなり、呼吸器症状が悪化することもあります。
アレルギー性鼻炎の原因
アレルギー性鼻炎の原因は季節性と通年性により異なります。
季節性アレルギー性鼻炎の原因は季節により違いますが、何らかの花粉による発症が大半です。春先からはスギやヒノキ、夏はイネ、秋はヨモギが原因となることが多くあります。
通年性アレルギー性鼻炎の原因は、ハウスダストに含まれるダニの死骸や糞によるものが多いとされています。最近の住宅は冬でも暖かさを保てるように気密性が高く作られている為、室内の衛生環境に注意をしていないと強い症状が出やすくなります。
アレルギー性鼻炎の治療と予防
アレルギー性鼻炎の治療法と予防法を解説します。
アレルギー性鼻炎の治療
アレルギー性鼻炎の治療では、アレルゲンの除去と回避が重要になってきます。また、治療としては薬物療法、特異的免疫療法、手術療法等があります。
アレルゲンの回避方法としては、マスクや眼鏡をつけることが大切です。また、外出先から家に戻った際に、身についた花粉を落とし、家に花粉を持って入らないよう気を付けることも有効です。
薬物療法では、抗アレルギー薬や漢方等を使用していきます。重症度や症状に合わせて使用していく薬を選択します。
特異的免疫療法では注射により、低い濃度で症状を引き起こすアレルゲンを体内に入れます。そうすることで、体にアレルゲンを慣らしていき、アレルギー反応を起こしにくくしていきます。また最近では、ダニ・スギ花粉については経口(舌下)による免疫療法も普及しつつあります。特異的免疫療法は、少しずつ体に慣らしていく為治療期間が長期に渡りますが、完治の期待できる治療法です。
また、薬を使っても抑えることができないくらいの重い症状には、手術が用いられることもあります。手術では、レーザー等により鼻水を止める神経の切除等を行います。
アレルギー性鼻炎の予防
季節性アレルギー性鼻炎の予防としては以下の3つが挙げられます。
- 帰宅後の手洗いうがい等を習慣化すること
- バランスの良い食事を規則正しくとること
- 外出時にはマスク、眼鏡、帽子を着用する等服装の工夫をすること
通年性アレルギー性鼻炎の場合は、ハウスダストを除去することが大切です。そのため、こまめに換気や掃除をすることが重要となります。
はるた呼吸器クリニック 院長春田 吉則
【経歴・資格・所属学会】
広島大学医学部卒業
中国労災病院・広島大学病院・広島アレルギー呼吸器クリニック八丁堀等で勤務