舌がん
舌がんは口腔がんの一種で、喋る・食事を取るといった日常生活に影響を与える病気です。
舌がんの原因
舌がんの明確な原因は分かっていません。舌がんのリスクを高める行為としては、飲酒や喫煙が挙げられます。実際に、長年の飲酒や喫煙の習慣がある人は、舌がんを発症する可能性が高いとされています。
ただし、舌がんは20代でも発症します。よって、リスク因子となる行為は長期間の飲酒や喫煙だけではありません。傾いた歯が舌に当たり続ける、虫歯ができるといった要因も関係していると考えられています。
舌がんの症状
舌がんの初期症状は、舌の粘膜の変化です。舌が白っぽくなる、表面がザラザラする、しこりができるといった症状が出ます。しこり自体に痛みを感じることはそれほどありません。
しかし、舌の側面にできたしこりが歯にぶつかることで、痛んだり血が出たりすることはあります。初期症状の程度が軽い場合、自分では気付きにくいでしょう。
症状が悪化すると、潰瘍になったりしこりが硬くなったりします。痛みや出血だけでなく、口臭が気になる始めるケースもあります。
さらに、血液やリンパが流れやすい舌にできたがんは転移し易いことが特徴です。頸部やその他の臓器に転移する恐れがあるため、首のリンパ節の腫れを感じた場合、すぐに病院を受診することが大切です。
舌がんの予防と治療
舌がんの予防
舌がんを予防するには、飲酒や喫煙を控える必要があります。直接的な原因だと断定することはできませんが、リスクを高める行為なのでできる限り避けましょう。喫煙を控えることで、肺がんといった他の病気の予防にも繋がります。
口の中の清潔さも重要です。毎日の歯磨きを欠かさない、定期的に歯科検診を受けるといった習慣をつけましょう。
舌がんの治療
舌がんの治療方法は、症状の程度によって異なります。例えば、がんがそれほど進行しておらず、ステージ1~3に該当する場合は「小線源治療」が行われる可能性があります。
小線源治療とは、舌を切ることなく放射線によって治療する方法です。「イリジウム針」を用いてがん細胞を殺傷します。メスを入れずに済み、治療後の生活に大きな支障が出にくいことがメリットです。治療前と同様に話したり食事を取ったりできるでしょう。
ただし、放射線を使用するため、治療後に粘膜炎などの副作用が出る恐れはあります。粘膜炎は2ヶ月ほどで自然に治まりますが、ピーク時には痛みを伴います。
また、軽度の舌がんであれば、舌の一部を切除する手術を行ってもそれほど生活に支障は出ません。よって、メリットとデメリットをしっかりと比較し、治療方法を選択することが大切です。
なないろ歯科クリニック 副院長佐々木 裕美
【経歴・資格・所属学会】
1996年 呉市立仁方中学校卒業
1999年 国立広島大学付属高等学校卒業/広島大学歯学部入学
2005年 広島大学歯学部卒業/医療法人社団しげもと歯科クリニック勤務
2013年 なないろ歯科クリニック開院