唾石症
唾石症とは、口の中の唾液腺や導管に石が出来る病気です。
唾石症の原因
唾液腺の中や導管に石が発生するこの病気は、顎下腺に生じる事が殆どです。耳下腺・顎下腺や舌下腺があり、主に耳下腺と顎下腺で発生します。唾石は砂粒のような小さい物から、数cmまで大きさも様々あり異物や細菌などを核としてカルシウムといった成分が付着して出来るのではないかと考えられています。原因として導管の炎症や唾液の停滞の他にも唾液の性状の変化によるものが多いです。罹り易い方というのは特になく、お子様から大人の方まで発症する病気です。男性で喫煙歴のある方がやや多くいます。
唾石症の症状
食べ物をを口に入れたり食べている最中に、唾液腺のある顎下部が腫れて激しい痛みが起こりますが、次第に症状が消えていくのが特徴です。食事の度に耳の下や顎の下が腫れたり痛くなったら唾石症の可能性が高いといえます。食事の時に唾液腺から口の中に出てくる唾液が、唾石によってブロックされて唾液の流れが悪くなり感染症に罹り易い状態になるので、より症状が悪化していきます。
唾石症の治療と予防
唾石症の治療
唾液腺が腫れを伴う痛みがある場合、抗菌薬を使って炎症を抑えます。症状が比較的軽い方は、経過観察で様子をみます。小さい唾石であれば、唾液腺の出口から自然に出てくることもあります。繰り返し唾石による症状にお悩みの方や唾石が大きい方は、口底部の同管内にある場合、手術によって口の中を切開して唾石を取り出すことになります。顎下腺に出来た唾石は顎下腺毎、唾石を取り除きます。大きさや位置によって顔の外側から皮膚を切開する場合もありますので、担当医とよくご相談の上決定して下さい。皮膚を切開する手術は、傷跡が目立つ可能性もあります。
最近では内視鏡を使用し痛みや負担の少ない方法も導入されており小さい唾石のみとなりますが、保険適用となっています。小さく切開してから内視鏡を挿入し、専用の鉗子を使用して砕いたりして摘出をします。むくみや唾液腺炎、内視鏡を挿入したことにより唾液管に小さな孔が開いたりする合併症があります。抗菌薬の投与や硬化療法といった処置を行います。また、再発する可能性もありますので、症状が現れたらすぐに医療機関を受診しましょう。
唾石症の予防
唾液の分泌を促す唾液腺マッサージを行いましょう。予防として確実な方法はまだ確立されていません。唾液腺マッサージやうがいで口腔環境を整えることは重要です。
なないろ歯科クリニック 副院長佐々木 裕美
【経歴・資格・所属学会】
1996年 呉市立仁方中学校卒業
1999年 国立広島大学付属高等学校卒業/広島大学歯学部入学
2005年 広島大学歯学部卒業/医療法人社団しげもと歯科クリニック勤務
2013年 なないろ歯科クリニック開院